第三十七話 盗賊と義侠の差
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第三十六話に増補しました。
帝国マルクと同盟のディナールのルートが判らないので、値段についてはあやふやになります。一応1マルク=100円 1ディナール=100円で考えていますが間違っていたら済みません。
********************************************
第三十七話 盗賊と義侠の差
帝国暦478年12月1日
■イゼルローン要塞 オスカー・フォン・ロイエンタール
そろそろ半年イゼルローンでの研修も終わってしまう。
オーディンへは帰りたくない、いや帰らない!
とは言えイゼルローンの繁華街に隠れるわけにもいかずに、
悶々とする今日この頃だ。
レテーナが優しくしてくれるのも帰りたくない理由の一つだが、
最大の原因は帰ればまた鬱陶しい噂が有るのではとの心配だ。
あの伯父がまたぞろ何か企まないか不安で成らん。
あの一族は俺を生んだあの女と同じで俺に災いだけを運んでくるのだから。
縁を切りたいが血のつながりはどうしようもないわけだ。
ああまた敵が来れば帰還が有耶無耶になるのに残念だ。
12月3日
嬉しい知らせがあった。
人事異動の一環として我々新任士官の内で希望する者をイゼルローン配置にするとのことだ、
俺は一二もなく希望届けを出した、同じように出したのは鶏冠頭《ビッテンフェルト》と数人だけで、
後はオーディンへ帰還するらしいワーレンは新妻との生活のために帰るそうだ、
しかし普段勇ましいことを言い、家柄自慢をしている貴族のボンボン達は全員帰還だ、
やはり門閥貴族の連中は根性なしばかりだ。
ミュッケンベンガー司令官も皆と帰還の途に就くそうで、
同時に新任士官も帰還の途に就くそうだ、
帰還予定日は12月12日と発表された。
12月10日
皇帝が叛徒の俘虜になっている連中の為の救恤品輸送艦隊が入港してきている、
1000隻の艦隊とは些か大げさだが、其れだけ大事な品なのであろう。
指揮官が皇帝の筆頭侍従武官と言うだけで重要度が判るというものだ。
帝国暦478年12月10日
■イゼルローン要塞 駐留艦隊軍港 レオポルド・フォン・ケッセリング
無事イゼルローンへと到着した、実に15年ぶりだあの頃と全く変わっていない、
航海中はメックリンガー大尉に大変世話になった、
冷静沈着で安心して航海を任せられた、
しかしここからが本番だ叛徒の領域へ進入するのだから。
今日明日はイゼルローンで英気を養わせ12日に出港する予定だ、
今晩はミュッケンベルガー大将がオーディンへ帰る前に皆で飲もうと誘って下さったので飲みまくるつもりだ。
12月12日
いよいよ未知の領域へ進行だ、イゼルロー
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ