第三十七話 盗賊と義侠の差
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を確認する作業に入った。
彼方此方から歓声が上がる。
「おっ此はワインだぜ」
「よせよ確認しろよ」
「良いって事よ、1本ぐらい無くったって判りゃしないさ」
「つまみも有るし後で飲もうぜ」
「帝国は贅沢してやがるな」
「噂じゃ仲間は矯正区とか言う地獄の様なところへ送られてるって言うのに」
「自分らの仲間には贅沢な品物を送りやがって」
「貴様ら!何をしておる、仕事をせんか!」
「軍曹殿」
「なんだ」
「敵はこのように贅沢な物を食っているのに、我々の仲間は塗炭の苦しみです」
「でなんだ?」
「敵の物資です、少しぐらい損耗しても仕方がない事です」
「なるほど確かにそうだな輸送における損耗は多々有る物だ、
どれだけ損耗していたのだ?」
「5千ほどです」
「いやコンテナを開けるとき壊れたからな1万個ほど損耗だな」
「いいか、お前等損耗は1万だ判ったな」
「イエッサー」
12月20日
コンテナはエル・ファシル星系より後方のジャムシード物資集積所へと送付された。
輸送艦バロットVの艦内では、船員達がコンテナの1個を開け中身の物色を行っていた。
「おーワインだぜ、こりゃあ上物だぜ」
「箱ごと無くなるとやばいからな、少しずつ抜いておこうぜ」
「役得役得」
「正規艦隊は贅沢してるんだ、彼奴等フルコース喰ってるんだぜ」
「俺たちゃフィッシュ&チップスだぜ」
「そうだそうだ」
「着いたら飲もうぜ」
「おー!!」
宇宙暦788年1月3日
■自由惑星同盟 ジャムシード星系 同盟軍補給敞 パーヴェル・コヴァリスキー
帝国軍捕虜への救恤品が届き倉庫へと保管が終わった。
此から各収容所へ分割する訳だが155万1143名に分ける訳だ。
新年明けから数日は徹夜だな。
1月6日いよいよ開始だ、余り気が乗らんがね敵に対しての補給というのが気に入らんが仕事だから仕方がない。
1月7日国防委員会の委員達数名がお忍びで訪問してきた、
何でも今回送られて来たワインは463年物で帝国でも相当なビンテージワインらしい、
同盟では2000ディナールの値段らしい、
つまりは捕虜に飲ませるのは勿体ない少し回せという事らしい。
しかし数が足りなくなれば配れなくなるのではと言うが、
委員達は上の者達も黙認しているし足りないのならば、
安いワインで代用すれば良いと囁く、
上の者達、評議会も一枚噛んでいるのか。
売れば2000ディナール俺の給料の二分の一にもなる、
委員共も悪いようにはしないと囁いてくる、
息子や娘の学費や老後の蓄え・・・・・
悪魔が囁く・・・・・・・・・・
俺は俺は・・・・・・・・
負けた・・・・・・
密かに20万個を腹心の部下1
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