第6話。舞弥と変人。
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魔術を教えることにした。
彼の異常性に戸惑う私だったが、晋吾は休ませてくれない。今度はあのバカは・・・・
魔力放出なんぞしてくれたからに。あほか?あほちゃうんか?
・・・・あの方便はすぐうつるから困る。
挙句のはてには私が見ている目の前で、「動くなドアホ!」とか言って魔力を硬化させる始末。
思い出すだけで頭が痛くなる。・・・・最近は士郎がくれた半分がやさしさでできている頭痛薬の存在がありがたい。
そして得物とやら。やめだ。止め止め。人生初のツッコミとやらをしてしまったエピソードを
思い浮かべてそっこーでゴミ箱に投げ捨てた。
・・・・私も変ったな。
思わず遠い目をしてしまう舞弥であった。
裏方に回った切嗣とともに依頼の受諾と偵察を兼ねて九州に来ている。晋吾と士郎は共に留守番。
「しかし、守ろうとした者のに雑魚扱いされるとは思いもしなかったよ。」
「・・・・切嗣はいつから気づいていたのですか?」
「何に?」
「晋吾のことです。」
「町からホテルに向かう際中にね。あの廃墟と化した町の中で普通にしてるんだもん。
何かあるなと思ったら・・・・」
・・・・有り過ぎだったと言うことか。
「・・・・しかし切嗣。死徒を余裕で、とは思ってませんでしたが、グールにも後れを取るなんて・・」
「んー晋吾達には内緒にしておいてね。実は・・僕の魔術回路、ほとんど動いてないんだ。
体も動きにくいし、あの聖杯のせいかな?」
「なぁ!?じゃなんで死徒狩りなんてやろうと思ったんですか!?」
「いや、晋吾もいるし、なんとかなるかなーって。」
ダメだこの親父。こんなにダメな奴だったけ?・・・・あのコ達は私が守ろう。うん。特に士郎。
晋吾は別にほっといても大丈夫でしょ。
今回の仕事でドイツまでの二人分の旅費や、帰る時の3人分の旅費、これからの5人分の生活費数か月分などが揃う。
晋吾も士郎も、そして切嗣、私でさえも、アイリスフィールの娘を迎えることを楽しみにしている。
晋吾と士郎は『おかえりイリヤ姉ちゃん』と書かれたくす玉を作っていた。
あの少女が、この二人と出会いどのような反応をするのが楽しみで仕方がない。
願わくば、私の頭痛の肩代わりをしてもらいたいものだ
晋吾がいるとホッとする。そんな安心感、温かさを与える何かをあの子は持っている気がする。
でなければ私も切嗣もここまで気を許さないだろう。戦場を知ったものはどうしても人を信じられなくなる。
だが切嗣にいたっては緩みすぎだ。あれでは単なるダメ親父ではないか。
「舞弥ねえちゃん。飯できたで〜。
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