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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第66話 邪悪な顔
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う言えば良いだろうか……、何と言うか 絶妙なタイミングとでも言うべきか、悉く失敗を繰り返していたのだ。


 そのシーンを全てじゃないけど ある程度は見ているカイトはと言うと。


「(あぁ……成る程な、こりゃもうこの世界のカミサマってヤツに嫌われてんだろうなぁ…… つくねってヤツは。不幸にも程があるだろ……)」

 
 神懸り的なタイミングで次々と妨害にあうつくねを見たら そう思ってしまうのも仕方のない事だった。






 そして、成果が全く実らないまま、何やかんやで つくねの誕生日前日にまでに来てしまった。






 つくねは単身モカがモデルをやっているらしい美術室の前に来ていた。



「こうなったら美術室に乗り込むぞっ! 明日をオレの為にくれって直談判だッ!」

 つくねは 拳を握りこみ気合を入れて威勢良く美術室への扉を開けた。


「すっ・・・ すみませーーーん! モカさんに話がッ!!!」



 力いっぱい叫んだのだが、帰ってくるのは自分の声。つまりは木霊のみだった。

「……って誰もいないのか・・・ まあいいや・・・中でモカさんを待とう」

 ちょっと拍子抜けしてしまったが、すぐに切り替え美術室の奥へ行こうとしたその時だ。


『シクシク シクシク シクシク………』


 聴こえてきたのだ。消え入りそうな小さな声。それは小さいのだが悲痛なものだった。すすり泣き声とでも言うべきものか。
 その発生源がロッカーの中である事は つくねにも判った。

「何だ………? ロッカーの中から・・・ まさかモカさん!?」

 つくねは 慌ててロッカーを開けた。

 そこにはモカはいなかった。
 いたのは 《石像》だ。明らかに普通ではない石像。眼から涙を流しているのだ。
 妖怪の学校だから、石像が泣いていたって不思議じゃないかもしれないが、何処か不気味さを更に演出していた。何よりも この石像は嫌にリアルに作られているのだ。

「せっ、石像が!? うわあああああ! 石像が泣いている―――っ!! 何で!? こんなものが……? それにこのコ何処かで………」

 つくねは最初は気味の悪さからしっかりとは見ていなかったのだが、改めてよく観察してみると、その石像の容姿には見覚えがあった様だ。 もう一度、確認をしようとしたその時だ。



「…………おい 私の芸術(アート)に何をしているんだ?」



 石神先生がいつの間にか、つくねの後ろに立っていたのだ。 見なくとも判る。恐ろしい形相で見られていると言う事が。

「わあ! いっ……石神先生!! すみません……っ! その、勝手に入っちゃって!!」

 今の石神は 教師の時の
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