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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第66話 邪悪な顔
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「え――――・・・ 今日の美術なんだが、先週に続いて自分の『大切なもの』をテーマに絵を描いてもらおう。 大切なものこそ、それぞれ心の中にある
芸術
(
アート
)
なんだ。 皆 自由に描くといいよ」
今行われているのは美術の授業。その先生が石神先生だ。丁度 昨日モカと話していた先生である。
今回の授業のテーマを訊いたつくねは、無意識なのか 或いは意識しているのか判らないが、モカの方をじっと見ていた。
そして、そんなつくねの行動はカイトの位置からだったらはっきりと判る。
「(あの様子じゃ・・・ まだ言えてないな。うん 間違いなく)」
本人にはっきりと訊けば良い――とアドバイスをしたカイトだったが、つくねの様子を見て苦笑いをしていた。
そして授業も進み、軈ては クラスの女子生徒たちが、石神先生のほうへ集まりだした。
その中には他のクラスから来ている生徒もいた。今は授業中なのに…… つまり、授業をサボってきていると言う事だろう。
「やっぱり大人気だな。石神先生は」
教師と生徒が仲がいいことは、何か微笑ましいとも言える。
だが、他の事ばかり気にしてたら、しなければならない事も出来なくなってしまう為、カイトは改めて集中した。自分の大切なものを頭の中に思い描いて。
そんな中で、つくねは何やら美術の教本を凝視していたのにカイトは気付いた。
何かモチーフになるものを探しているのだろう、と思ってまた自分の作業に戻ったのだが……、結構凝視する時間が長い。
「なぁつくね。さっきからずっと凝視しっぱなしだけど、そんなに美術好きだったっけ?」
「うひゃあ!」
話しかけたらつくねは、飛び上がらん勢いで驚きつつ、ばんっ!と勢いよく教本を閉じてた。
「いっ いや! なんでもないよ!?」
どう見ても なんでもないように見えないのだが、追及するつもりも無いカイトはと言うと。
「ま、別にいいか。好みは人それぞれってもんだ。んじゃ オレは絵描きに戻る。つくねも頑張れよ? 5教科と違って、そこまで重要視されてない美術だけど、内申点には響くらしいからな」
手をひらひらさせて、カイトはモチーフ探しを再開した。
正直に言うと カイト自身も非常に悩んでいる。今回のテーマは カイトにとっては多すぎるから。大切なものが、多すぎるから。
そして 授業が終わった。
つくねは 意を決した様で色々とモカと話そうと努力を重ねているのだが、その成果が全然実らない。
ある時は くるむに、またある時は ゆかりに、果てにはギン先輩にまで 邪魔をされる形になるのだ。
一応説明をしておくが、皆別につくねの事を妨害してるわけじゃない。
けれど ど
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