暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
5話 武器調達と再会2
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 ノーマルスピアよりも重量が増し、なおかつ槍身も柄も長く、そしてがっしりとした“アイアンスピア”。なんとこれは、強化すれば四層まで使えるという優れものだ。

 
 実はこれ、一度しか行えないこのダンジョンの目玉品であり、ラストアタックをとったものに送られるらしい。所謂ユニーク品である。

「無事にドロップしてよかったね」
「ああ。ありがとう」
「いえいえ、経験値も結構もらえたしね」

 リアもツカサの様子を見て嬉しそうに笑う。激マズのポーションで下がっていた2人のテンションはすでに回復したようだった。

 

「じゃあ、アイアンスピアも手に入れたことだし、村までダッシュで帰ろっか!」
「そうだな、そうするか」

 割と気分屋なところがあるツカサも、すぐにリアの提案に乗り、2人の姿はあっという間にその場から掻き消えた。






 2人はそのあと、始まりの街へと続く道を歩いていた。すっかり日も沈み、月明りがフィールドを照らすのみであるが、そこは仮想世界で、前が見えないほどの暗さではない。

 
 夜の始まりの街周辺のフィールドには、夜型モンスターである“ダイアー・ウルフ”が出現する。猛烈な突進を受けると、ノックバック状態になる上に、“遠吠え”スキルという、ものをもっていて、これは近くにいる仲間を呼ぶスキルであり、かなりやっかいなものだ。ニュービーには危険が伴うだろう。それに加え、現実世界よりは明るいとは言っても昼間よりも視界が悪いことは確かであり、視界が悪い。索敵スキルをとっていないと少々心配なところがある。


 
 2人が始まりの街に再び戻ってきたのは複数理由があるが、その中の一つが、「モンスターの攻撃パターンを確認する」ことだった。東の森のクエストで彼らが気が付いたβテストとの違い。2人はそれが始まりの街の周辺で起こっていないかどうか確かめに来たのである。もし変わっていたとしたら、即刻皆に通達しなければいけないだろう。特に、βテスターたちには。


 2人が戦ってみたところ、ダイアー・ウルフには手が加わってはいないようだった。攻撃パターンもアルゴリズムも同じもの。2人の顔には少しの安堵の色が浮かぶ。

 それにしても、もっと強いモンスターと戦うことができる2人にとって、経験値を稼ぐには少々効率が悪い上に、今日は朝から動きっぱなしで脳に負担をかけたため、それなりに疲労が蓄積されている。攻撃パターンも確認したことだし、倒した数が10体にも満たないところで引き返そうとした時だった。

 かすかに、ソードスキル特有の、風を切るような音がした。
「今の音…」
「ああ、俺にも聞こえた。…誰か戦ってる」

 
 リアがあのチュートリアル後に、昼と夜ではモンスターが違う上に難易度も上
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