暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
5話 武器調達と再会2
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的に壁にかかっている松明の光を照り返し、実に幻想的な風景だった。横も縦も広さがあり、ツカサのスピアも十分振り回せるほどだ。

 
 ここでポップするモンスターは、モグラのような姿をしている“モールラッシュ”や、こうもり型の“ブラックバット”などが主である。リトルネペントほどの攻撃パターンしかないのだが、何分レベルが少々高いので、2人も突っ走らずに、慎重に進んでいく。

 そうすること30分。2人の前には、巨大なモグラがいた。その名も”The Mole King”。

「…ねぇ、ツカサ君」
「ん?」
「…名前、変わってないね?」
「……」

 武器を構えながら、リアのつぶやいた言葉に、ツカサも無言で同意した。彼の顔にも呆れの色が見え隠れする。“モグラの王”とは、そのまますぎやしないだろうか。しかもβテストと変わらず同じ名前だ。ホルンカを少子高齢化設定にするぐらいに暇があるなら、もう少し名前をどうにかしてほしい。

「まあ、名前なんて別に関係ないけど、ねっ!」

 リアはそう言いながら、アニールブレードの先を向け、巨大モグラに突っ込んでいく。

「それにも同意」

 ツカサもノーマルスピアを構え、リアの後を追った。その瞬間、モールキングは、その巨体を大きくのけぞらせた。




 戦うこと1時間半以上。モールキングはやっとその身をポリゴンと散らせた。

「結構かかったな…」
「まあ、βの時よりもレベルが低いから一応予想はしてたけどね」

 少々の疲労の色を滲ませ、ツカサは壁に寄りかかりながら、始まりの街で購入しておいたポーションを煽った。リアもそんなツカサの様子に苦笑し、自身もポーションを口に含む。

 何とも言えない、消しておいしいとは言えない薬臭い味に、リアは顔をしかめる。これがもう少し上の層になれば少しずつ飲めるものになるのだが、まだ一層。正直なところ味的にもあまり飲みたいとは思えないものだ。

 
「そういえば、LA、ツカサ君だよね?ドロップした?」
「ああ、そうだった」

 ツカサはポーションを飲み干し、空の瓶を地面に抛ると(一定時間たつと放置されたものは消滅されるため、悪くははない)、メニューウィンドウからアイテム欄を確認する。

 ちなみに、リアの言ったLAというのは、ラストアタックのことだ。ラストアタックをとると、獲得経験値も同じダメージを与えた場合よりもかなり多くなるうえ、上質なドロップ品がドロップする確率が跳ね上がる。

 ツカサがトン、トンとリズムよくウィンドウをタッチする。すると、ツカサの手に一本の槍が収まった。

「久しぶりだな…」
 感傷に浸っているような声を出しながらツカサは、その手に収まっているその槍を若干の笑みをたたえた顔で見つめた。


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