暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
5話 武器調達と再会2
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もので、獲得経験値も、コルも、そしてドロップ品もこの層ではボスを除いてトップだろう。

 ではなぜ、ほかのプレイヤーが来ないのか。もちろん、このダンジョンになる洞窟は“東の森”の奥のほうにある上に、そのダンジョン情報は3層に行って初めて判明する。しかし、すでにホルンカに到着しているβテスターたちはなぜここに来ないのか。なぜなら、このクエストは一回限定のもので、なおかつ、ダンジョンがクリアされたらそのNPCも情報の提供をやめるからだ。さらに、NPCが情報提供するのにはかなり面倒で、普通の人なら彼らに向かってそんなことはしない行動をしなければならず、その情報を貰ったのも2人以外にいるのかも怪しいところだ。




 あたりにモンスターがポリゴンへと変化する、この世界特有の効果音が響いた。
「お疲れ」
「ありがと」

 リアとツカサは、昔からお決まりのハイタッチを交わす。すでに8回目となる戦闘は、ツカサの手によってあっけなく終わった。西の森よりも少しレベルが高いとはいえ、2人にとってはほとんど関係ない。問題の一つもなく、さくさくと進む。
 
 だが、2人の表情は、消して明るいとは言えない。もくもくと迷路のような鬱蒼とした森を、索敵スキルで油断なく見回しながら、リアが口を開いた。

「…ねぇ、ツカサ君も気づいてる?」
「…ああ」

 長い付き合いのせいだろうか、ツカサには主語がなくとも伝わった。それは、二人が思っていたことが一致していることを指す。

「βの時と少しずつ違う…」

 ツカサは、無言で肯定した。
 
 大方の攻撃パターンは変わっていない。だが、例えば攻撃力や、回避能力、そして一番はHPバーが赤く染まったときのパターンの変化。リアとツカサは今のところ、そのような変化があっても、持ち前の運動能力の高さと適応力の高さでそれをカバーしている。

 だが、ニュービーが多かったβテスターはどうだろうか。βテストの時だとまったく同じだと甘く見て、戦闘をしている彼らは。小さな変化だが、この世界ではそれが命取りとなる。ここで最も重要なのは、強力な武器でも、防具でもない、ほかでもない情報なのだ。


「…どうする?」
 
「そうだな…一番いいのは、やっぱり…」
「「鼠のアルゴ」」

 2人の声がシンクロした。思わず2人の顔には笑顔が浮かんだ。



 
 
 
 モンスターをなぎ倒しながら、迷路のような道を歩くこと約1時間。目の前に、大きな口をぽっかりと開けた洞窟が現れた。入口上部には、クロスされた松明が赤々と燃ており、まるでこの洞窟に入るものを脅しているかのようだった。しかし、2人は迷うことなくその洞窟の中へと足を踏み入れた。




 まるで黒曜石のように光沢をもった壁が、定期
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