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シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
遺体のない葬儀編-5-
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自分が知りうる事は全てをリアに話した。
闇病を完治する為の唯一無二のの方法、精霊石を使い人の心が具現化された精神世界(プリンセシナ)に行き、持ち主の封印した忌まわしき過去の記憶を観て行くことで闇を知り、最下層にある心の深層世界(シークレットガーデン)で、己の犯した罪と向い合せる事で浄化し心を綺麗にすることで闇病が治るという事をリアに説明した。

 この話は政府も認識していない内容だとリアは言い

「いいかルシア。俺だったから別に悪用使用だなんて考えないけど、世界にはこの情報を使ってなんかあくどい事をしようと企む悪いヤツもいるんだ。
 あまり簡単にこの話を他人にするべきじゃない」

 最も信頼のおける者達だけでとどめている方が良いとアドバイスしてくれた。
ルシアはわかったと大きく頷づくと

 キュルルルー。

「あ……」

 彼の腹の虫が空腹を訴えるようの鳴った。
本屋の中にある掛け時計を見ればもう短針と長針が十二のところで重なりあっている。どうりで腹の虫も鳴くはずだ。

「あははっ。まあもうお昼だもんな、腹が減ってもおかしくはないって」

 そう口では言っているが大爆笑である。自然と顔が熱くなってゆく。
ひーひーと、笑いすぎて息苦しくなりハンカチで目から溢れてきた雫を拭きながら

「良かったらさ家においでよ。こう見えて料理の腕には自信あるんだぜ? 
 山育ちには一生食べられない海の幸をご馳走してやんよ」

 リアの言葉に甘えここは彼の家にご招待にあずかることに決めた。
これから来客の予定があるからと、リオンとレオは来ないそうだ。
美味し過ぎて頬っぺを落とさないように気負付けてね、と出入り口まで来たレオに見送られながらルシアはいざ昼食をありつきにリアの家を目指すのだった。





                       †

 本屋のある薄暗い裏通りを通って広い人が沢山いる表通りを通り二回ほど角を曲がり十分程度歩いたところに"リアの家"はあった。

「ん。どうしたそんなところで立ち止まったりして」

 平然と言い門を手動で押して開けている彼の姿を只呆然と眺める。
彼らの目の前にあるのは御伽噺などに出てくる西洋のお城を思わせるような、豪奢(ごうしゃ)な屋敷。
庭には白い百合の花が植えられ自由に伸ばされた蔦が複雑に絡み合い、ある意味幻想的な光景が広がっていた。

 あんな古びた本屋の店主の幼馴染で女性の恰好をするのが趣味だという変態……だと各々思っていたのだが、まさか実は海の国有数の貴族様のお一人でかなりのお金持ちのお坊ちゃまで、豪邸に一人で暮らしているそうだのだ。

 屋敷の中も流石としか言いようがない程の豪奢な造りだ。
床は大理石でひかれている絨毯(じゅうたん
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