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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 13
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わけじゃなかったけど、まさか本当に異世界から稀人が来るなんて、正直なところ半信半疑だったんすよ。聞けばおふたりは神龍武士団の連中をフルボッコしたとか、お強いんですね! ――あ、ここがおふたりに用意されたお部屋です。もうお休みになられますか?」
「いや、時間が惜しい。外の様子を見たい」
「わかりました、じゃあこちらから外に出られます」
星哉の先導でアジト内をぐるりと見回ったあと、入ってきたエレベーターとは別の出入り口から外へと出るや、騒動に出くわした。
ゴミが路上に散乱する、お世辞にも清潔とは言えないセンター街の一角に人だかりができていた。なにやらもめごとが起きているようで、数人の男の怒鳴り声がする。
「目障りなんだよ、おまえらは。とっとと自分の国に帰って死ぬまで礼拝し続けてろ」
「いもしない神にむかって一日五回も礼拝してんじゃねぇよ蛮族」
「それともイスラムお得意のテロでも起こすか、ああ!?」
「日本から出てけ!」
人だかりの合間をくぐり抜けた秋芳らの見たものは、四人の若い男たちがひとりの浅黒い肌をしたムスリムふうの外国人を取り囲み、口々に罵声を浴びせながら蹴り回している姿だった。額に例の呪印がないところを見ると神龍武士団の正規団員ではないらしい。
まわりにいる数十人の通行人はだれも制止しようとせず、警察に連絡するような人もいない。小声でささやきを交わしながら遠目に見ているのはまだいいほうで、軽く眉をしかめただけで通り過ぎる者のほうが多かった。
この街の住人にとって、このような暴行は日常の出来事だということをうかがわせた。
「またナンチャラ武士団のシンパかしら、止めないと……」
「さっきのモスクの一件といい、日本人はイスラム教徒に対して恨みでもあるのか?」
「……世界を相手に戦争しているから、外国人全般に対して八つ当たり的な怒りを感じている者が多いのは事実です。あとイスラム教徒を自称する集団がなんどもテロ未遂事件を起こしてるってのもあるんで、それ系の人たちに対する風当たりが強くて」
呪術の台頭を嫌悪するのは第一に中国。その次に一神教を熱心に奉じる国々だった。イスラム教でもキリスト教でも魔法や呪術のたぐいは否定されており、多神教信仰とならんで大罪とされ、原則非難されるもの。神に背く行為とされた。
一部の暴力的なイスラム教原理主義者たちが日本を標的になんどもテロを画策したが、いずれも未然に防がれている。星読みなどの卜占系呪術による未来予知のたまものだ。
また新皇多軌子は在日外国人の存在を好ましく思っていなかったが、ことさら排斥するような指示は出していない。来る者は拒まず去る者は追わず、という姿勢だ。
そのため電力を失い、科学の恩恵を受けられなくなった国の人々は不当なあつかいを受けるのを承
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