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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 13
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「その怪物をどうにかする手段もあるからこちらで対処する。おまえたちには風水塔の制圧する手助けをして欲しい」

 風水塔の制圧、すなわちこの世界の京子の救出である。ことわる理由はない。

「わかった。だが似ているとはいえ右も左もわからない並行世界でいきなりドンパチに加わるのも不安だ。時間に余裕があるならちょいとぶらついてこっちの世界を見聞きしたいんだが」
「そうだな……、いいだろう。三日やるからその間にこの世界になじんでくれ。それまではここにある施設は好きに使ってくれていい。専用の部屋も用意する」
「ちょっとまって。あたしたちがレジスタンスに参加するのはいいわ、けれどもそれ以降の明確なビジョンはあるわけ? 首尾よく風水塔を制圧できても管理運用できなくちゃ意味ないでしょ。ていうかあたしが……、『京子』がいないと制御できないんだったら彼女を救出したら電力の供給もなくなっちゃうんでしょ、それって問題なんじゃない?」
「風水塔以前に稼働していた各地の発電所は破棄されたわけじゃない。もとのライフラインにもどすための手立てはすでに手配済みだ」
「たいした組織力と技術力だ、いちレジスタンス組織にしてはずいぶんと手際が良すぎやしないか?」
「あいにくと闇鴉は『いちレジスタンス』程度の存在じゃないんだ。いま明確なビジョンと言っていたが、おれたちが多軌子を無力化し、新民党の独裁を打破したあとのプランはすでにある。もっともそっちのほうは政治的なあれこれが中心で、おれたちの分野じゃないがな」

 闇鴉の後援者には今の日本を良しとしない政財界の大物や、呪術関係者が多くいるという。驚いたのは冬児の父親が直田公蔵という、かつて自主党の幹事長を務めていた大物政治家だったということで、そのような反体制勢力の指導者的地位にいるらしい。
 闇鴉による革命が成功したあかつきには直田らが治世にたずさわり、各国との関係も修復する予定だ。

「謝罪と賠償をするにあたり燃料電池を大量にばらまくそうだ」

 日本は無尽蔵の電力を駆使して海水から二酸化炭素と水素を抽出し、それをもとに燃料電池を大量に生産している。頃合いを見て電力不足に悩む諸外国に高値で売りつけるつもりだという。
 自分たちで電力を断っておきながら有料で電力を売りつけるなど、ヤクザまがいの商法である。
 直田は謝罪と賠償の意味を込めて、押収したそれら燃料電池を諸外国に無償で提供する考えだ。

「念のためうちのメンバーから案内役をひとりつけるから、なにかわからないことや欲しい物があったら遠慮なく言ってくれ」



 案内役は中原星哉(なかはらせいや)と名乗った。ボサボサのくせっ毛にハーフリム眼鏡をかけたおしゃれなアキバ系≠ニいう感じの青年に見えた。

「いや〜、春虎さんの星読みを信用してない
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