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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 13
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倉橋京子か……。だが、おれたちの知っている京子とは似ていない、別人みたいだな」
「ふぅん、こっちの世界にも『倉橋京子』が、あたしがいるのね。やっぱり春虎たちとおなじ闇鴉(レイヴンズ)の一員なの?」
「いいや、京子はいない。風水塔の人柱にされてしまったんだ」
「なんですって!?」
「人柱だと!?」
「風水塔を稼働するには龍脈の流れを読み、あやつる者が必要だ。京子には龍脈の流れを見極め、制御できる如来眼の力があった。それゆえ生きながらにして式にされた」

 一日二四時間、一年三六五日、何年も何十年も何百年も、未来永劫に――。
 食事も排泄もせず、休むことも眠ることもなく、ひたすら気の流れを見て調整する。生身の人間には不可能なことだ。そのため人としての肉体と魂を封印されて風水塔を動かすだけの道具に、式にされているというのだ。

「年中無休で働かせるなんて、どんだけブラックなのよっ、法定労働時間はどうなってるわけ!」
「まったくだ、八時間労働ですら奴隷の生活だとニーチェ先生もおっしゃられているってのに全人生労働だなんてクソくらえだぜ」
「いや、そういうレベルの話じゃないからね」
「わかってるわよ! あまりにも酷い話だったから軽く現実逃避しただけ」
「だがクソくらえってのは本当だ。ひとりの少女を生贄にした永久機関なんてあってはならないことだ」
「生贄になっているのは京子だけじゃない。陰陽省は魂に関連する呪術の研究開発を進め、そのために多くの人々を実験材料にしている」
「ショッカーかよ、この国は……」
「悪の秘密結社そのものだよ」

「そう、そして俺たち闇鴉はそれに反旗を翻すレジスタンスってわけだ」

 いつの間にか席をはずしていた冬児が大きめのノートパソコンを持って現れた。

「さっき多軌子や八瀬童子を知らないって言ってよな。百聞は一見に如かず。言葉だけだとわかりづらいところもあるだろうし、こいつを使って説明するぜ。世界情勢についての補足もある――」



『相馬多軌子。先の大戦時、土御門夜光の呪術的才能に目を留め、彼を軍部へと招いた一族「相馬」の末裔。周囲からは「姫」と敬称され――』
『大連寺至道\夜叉丸)元宮内庁御霊部部長で十二神将。二つ名は「導師(プロフェッサー)。相馬の秘術により八瀬童子という式神に転生し、夜叉丸と称す――』

 PCのモニターに画像や動画つきの人物データが次々と表示される。

「ストップ! ねえ、秋芳君。これって……」
「…………」

『倉橋法源。十二神将の筆頭である倉橋源司の子。幼い頃に賀茂家の養子となり帝国式陰陽術に組み込まれなかったいにしえの呪術を学ぶ。韓国連広足(からくにのむらじひろたり)の子孫より呪禁の術を伝授され現代に復活させた功績は大きい。その呪術の技量と享楽
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