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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 13
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があるという話は聞かないですね。おもに式神や自身の術を使って出入りしているそうですが、許可なく近づこうものなら撃ち落とされます。周囲を浮遊する飛び島を階段状に配置して大勢が移動できる機能がついているとか……そんなに行きたいんですか、あそこに」
「ああ、行きたい。俺たちのいた世界にはあんなのなかったからな、ぜひとも見物したい」
「あまり危険なまねはさせるなと春虎さんから言われているので自重してください」
「そうは言うが星哉、おまえも行ってみたくはないか?」
「そりゃまぁ少しは……、いや、正直かなり興味はありますが」
「だれにも気取られず侵入するにはどうしたらいいか、京子。なにか良い策はないか?」
「そうねぇ……。じゃあ、こういうのはどう?」
渋面を浮かべる星哉を尻目に、秋芳と京子は内裏に忍び込む算段をしはじめた――。
聖蓮寺の境内。
話しはじめてからどれほどの時が経ったのか。
詫びた風情の枯山水を望む縁側に座った桃矢は秋芳の夢語りをずっと聞いていたが、遠くから聞こえていた女子たちの歓声も、さすがに途切れ途切れになってきた。
「――で、それからいろいろあって俺たちは春虎たちに協力して革命を成し遂げた」
「……え? ええエッ! ちょ、ここまできてはしょりすぎでしょ! 相馬の天空内裏に忍び込む話はどうなったんですっ。なかに入れたんですか!?」
「もう一四話分も話してきて、いい加減飽きたし疲れたわ。これ読んでる人だっておなじだと思うよ。それどころか『もうこれ東京レイヴンズじゃねえじゃん!』とか思ってるんじゃない」
「またそういうメタな発言を……」
「というのは冗談で、実はそのあたりから記憶が曖昧模糊なんだよ。それこそほんとうの夢のようにな」
「そうなんですか?」
「ああ――、相馬の天空内裏には入れた。なにか京子の力で侵入できたのはたしかだ」
まさにまことの夢のように記憶がぼんやりとし、内容を鮮明に思い出すことができない。
「なんとか策を講じて内裏に潜入したんだが、どのような手で入ったかの細部を思い出せない。さらに内部の景。樹々や花々が生い茂り、青々とした芝生や池が広がり、鹿や兎。小鳥やリスが放し飼いにされた、それはもう良き景観だったのだが……。くそっ、やっぱり思い出せん」
「はぁ……、ほんとうに夢みたいですね」
「そうだ。まことの夢のようにおぼろげで、一秒ごとに脳から失われつつある。夢日記にしたためようにも、俺にはあの情景を文章にできるだけの文才はない」
陰陽師のユートピア、一般人のディストピア世界を最後に夢から覚めた。
体感時間で何年という旅をしてきただけに京子は気疲れしたので刀会の打ち上げに顔を出せないというのも、これまた残念だった。
「――さて、そろそろ終い
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