暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 13
[1/13]
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
中国のミサイル攻撃をしりぞけた日本はそれを機にアメリカや中国など、経済制裁を実行する国々に対して報復をおこなった。といっても直接武力を行使したのではない。
各国に存在する何万というサーバーがダウンした。
電話もメールもできなくなり、インターネットにもつながらなくなった。それだけではなく各地の発電所のコンピュータに異常が発生し、動きを止めたことで大規模な停電がいくつも同時に発生した。
それは電子式。高度な人工知能を有し、ネットの中で増殖しながら拡散し、特定の言語をもちいるサーバーだけを標的にする特殊な式神による攻撃だった。
電車は動かず、交通信号が消えたため道路はあちこちで渋滞。輸送網は壊滅し、各地で食糧不足が起き、略奪が多発した。
大統領や首相、閣僚といった一部の者らはどうにか自家発電のある建物を利用できたが、それ以外の人々は電力文明の恩恵を受けられなくなった。
電気のない、暗黒の時代に逆戻りしてしまったのだ。
人類という種そのものが伝染性の集団ヒステリーにでもなってしまったかのように混乱は飛び火し、ますますエスカレートしていった。
ドイツをはじめとした欧州各国では極右集団が徒党を組み、移民の家々を襲撃して略奪をし、南米では政府と麻薬組織が武力衝突し完全な内戦状態におちいった。メキシコにいたってはマフィアが政府を追い出して国内を完全に掌握。武装した集団がアメリカ国内に大挙して押し寄せ、アメリカは軍隊を動員して追い散らす。
中国では西北部のイスラム教徒の反乱が起こり、チベットや雲南でも少数民族が暴動を起こし、拡大の一途をたどった。ロシアでは餓死者や凍死者の数が一〇万を超えた。
日本という極東の小さな島国で起きた革命をきっかけに世界各国の政治、経済、社会は破局にむかって急斜面を転落しつつあった――。
「…………」
「――以上だ、ざっくりとだがいまの世界はそんな状態にある」
羊肉を中心とした清真料理をたいらげ、食後のモロッコティーを口にしていた秋芳と京子はこの世界の春虎の語る内容に言葉も出なかった。
「なんとまぁ、壮絶だな」
「ええ、いままでもいろんな世界でいろんなことがあったけど、こんな悲惨な状況ってはじめて」
「日本はかろうじて自給自足できているようだが、世界がそんな状態じゃあ輸出や輸入はおろか生産もままならないで、さぞかし大変だろう。外国産の物がまったくないってのも味気ないよなぁ。俺は特に舶来信仰が強いわけじゃあないがイタリア産のワイン、ドイツのビール、中国の白酒、メキシコのテキーラを口にすることができないのはさびしい」
「そうよね。イタリアのパンドーロやドイツのシュトレン、中国の鳳梨酥にフランスのシードルでスイーツパーティができなくなるのはかなしいわ」
ニュ
[8]
前話
前書き
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ