EX回:第36話(改2)<反抗>
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り出した。周りの艦娘たちが悲鳴を上げる。
「司令、これは技術参謀としての命令だ。言うことを聞かないなら、お前の権限をこの場で剥奪する」
無表情で銃を構える技術参謀。凍りつく艦娘たち。私はそれでも無視して作業を継続させようとする。
「残念だな……」
そう言いつつ技術参謀は引き金を引く……と思った瞬間だった。
「えい!」
機長の掛け声と同時に発動機が唸り機体が急上昇する。
「なにっ?」
「敵襲か?」
参謀と私は慌てて近くのパイプにつかまる。
ほぼ垂直に近い傾き……こんな曲芸飛行みたいなマネをして大丈夫なのか?
「だぁっ!」
傾いた状態で前の方から寛代が、いきなり技術参謀に飛びかかった。
「なっ!」
驚く参謀と寛代は二人揃って機体後部まで吹っ飛ばされる。鈍い音を立てて拳銃も飛んで逃げた。
「ぽいっ!」
金髪を振り乱した夕立が拳銃に飛び付く。一瞬、パン○が見えたが、もはやそれどころではない。
一連の動きを確認した機長が機体を戻す。水平飛行と同時に参謀は寛代を引き剥がしにかかる。
「クッ、離れろ!」
「いやっ」
間髪を入れず金剛が飛びかかった。
「yhaaa!」
「やめろっ」
それまで様子を見ていた青葉さんと夕張さんも加勢する。
「ごめんなさい!」
「お前たちまで!」
艦娘同士とはいえ多勢に無勢だ。あっと言う間に技術参謀は取り押さえられてしまった。
「悪しからず!」
夕張さんが簡易ロープで手際よく参謀を縛った。
私は感心した。
「さすが工廠班、上手に縛るものだな」
この言葉に彼女は笑った。
「伊達に工廠付きやってる訳じゃありませんから」
「お前らっ! こんなことをして、ただで済むと思うなよ!」
参謀はスゴイ剣幕で怒鳴っている。
(おお、怖い)
私以下、艦娘たちもチョッと引いた。
だが祥高さんが、なだめる。
「お姉ちゃん、落ち着いて……」
(『お姉ちゃん』なのか)
その呼称は意外だった。さすが姉妹だ。
すると、みるみる技術参謀の顔が真っ赤になっていく。
「だ、だまれ、うるさい!」
なるほど……その呼び方を人前で披露して欲しくないようだ。
「ひょっとして参謀の弱点見つけたかも」
青葉さんが私の背後で呟く。
そんな彼女の怒りと対照的に外の気象状況は落ち着いて来たようだ。
敵の残存部隊は、既に逃げ出している。今が艦娘たちを回収するチャンスだ。
私は改めて言った。
「機長、着水を」
「了解です」
親指を立てて命令を受けた機長と副長。やたら嬉しそうなだな……あ。
ふと悟った。
「さっきのはやはりワザとやったか、機長」
私の表情を見た彼は言った。
「寛代ちゃんがね……
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