暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第36話(改2)<反抗>
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

「司令、私たちのこと、忘れないで……」
(一緒に帰るんだ!)

--------------------------------------
マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
 EX回:第36話(改2)<反抗>
--------------------------------------

「機長! まだ突入するな!」
私は咄嗟(とっさ)に叫ぶ。

技術参謀は私の言葉を疑った。
「何を言っている司令! 帰還できるチャンスだぞ」

それは無視して私は言った。
「機長、直ぐに海まで下りろっ」

機長は驚いたような顔で命令を受ける。
「りょ、了解。機種下げます」

何かを言いかけた参謀を塞ぐように私は操縦席の後ろに立つ。

 二式大艇は暗雲の中に突入する。激しい雨が機体に叩きつけていた。遠くから雷鳴も聞えてくる。ガタガタと揺れる機体の各部がギシギシと(きし)む。

「ぽいぃ」
夕立がキョロキョロしながら不安そうな声を出す。

本来ならば雨雲に突入するのは危険だが、私は敢えて降下させた。もう一刻の猶予も無いのだ。

「雲を出ます」
副長の報告と同時に急に視界が開けた。周囲は灰色の海面と薄っすらとしたモヤで満ちていた。

 私は胸ポケットに手をやる。案の定、あの双眼鏡も返していなかったが……反省する間もなく取り出して窓から海面を見下ろした。

揺れる波間に艦娘たちが見える。
何人かが、こちらを確認しているが手は振らずに敬礼をしていた。

『司令、私たちのこと、忘れないで……』
そんな声が聞こえたような気がした。

明らかに彼女たちは、この時代に残る覚悟を決めているのだ。
(絶対に忘れるものか!)

敵の勢力は弱まったが風雨が激しい。機体は大きく艦娘たちの上空を旋回し続けている。

技術参謀がイラつくように話しかけてきた。
「司令、さっきも見ただろう。最後のチャンスだ。すぐに上昇して、あの雷雲へ突入しろ。もはや彼女らを回収する時間は無いぞ!」

彼女は念押しして諭すように言うが私にそんなことは、どうでも良かった。
(絶対に皆、一緒に帰るんだ!)

「機長!」
大声を出した私に機長は、ビクっとした。

「直ぐ着水だ。艦娘たちを回収する!」

私の命令に技術参謀は反論した。
「おぃ、気は確かか? これを逃したら、次はいつになるか分からないんだぞ!」

私は無視して続けた。
「急げ! 機長!」

技術参謀も負けてはいない。
「司令っ、聞えないのか? これは私の命令だ。すぐに回収は中止、機体を雷雲へ向かわせろ!」

明らかに彼女もイラついている。だが私は他の艦娘たちに回収の準備をさせていた。

 ついに頭にきた技術参謀は、懐から拳銃を取
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ