暁 〜小説投稿サイト〜
fate/EX=zero
幻想少女の月捜索
仮初の少女と朧げな英雄
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ムーンセルが何故このような予選を設けているのかわからないがやれというのならやるだけだ









長い長い通路をたどりつづけ到着した場所は息苦しさすら感じる荘厳な空間

だが周りには壊れたドールと倒れた月海原学園の制服を着た人間が地面に伏している それもかなりの量だ
すぐ近くの人間を触ってみるが冷たい
死んでいる、それがただアバターが落ちているだけなのか本当に死んでいるのかの判断はつかないが少なくとも動くことはなさそうだ


ここで倒れているのは予選に落ちた敗者達
こんな奴らの仲間入りだけはしたくない
何故かここに生きている人間は私だけのはずなのに視線を感じる


その時近くの人間が使っていたであろうドールがカタカタと音をたてて立ち上がる
直感で理解する

これは敵だ



すぐに自分の動かすドールを戦わせる

「ここで最後ってわけね、あんまり真正面からの戦いは好きじゃないんだけどやってやるわ!」

すぐにポケットの中から針を取り出し人形へ投げる
私が得意とするコードキャスト Stab_harmは針を触媒として相手に複数の毒を与えるものだ
その毒のほとんどは人形に対して効果はないが腐食させ体を脆くする毒はじわじわと人形の体を蝕んでいく

敵の人形は元からボロボロだったはずなのに私の人形より力強く速い

体にインストールしたコードキャストdisguise_shapeによって周囲の光を屈折させ攻撃を躱させているが偶然か狙ってか稀に私の人形に攻撃が命中する
ダメージを受けるたびに私の人形は少しづつ欠けていく

「何本も何本も刺してるのに毒の回りが遅い……まずいわね」
私は純粋に高い威力を持つコードキャストは扱えない
とにかく時間を稼ぐことに集中しなくては

恐らくドールの力はある程度マスターの魔術的な才能によって決められている
私はトップクラスのウィザードと比べるとポテンシャルは劣る
そこを技術で補ってきたのだが今回のような状況では有効的なコードキャストはほとんどない

「まさかこんな前座で使わされるなんて…………決着術式!万華鏡の無限迷路(カレイドラビリンス)!」

万華鏡を天に掲げ光を注ぎ糸島家秘中の魔術を電子世界で再現させる
周りの風景が少し歪み出したとき鋭い視線を感じた

この空間に来たときからずっと感じていた視線だ

「ふむ、能力は悪くないが真っ当な戦闘を嫌うか……だがそこはむしろ評価すべきだな」
何処からか聞こえる男の声
既に迷路は2割ほど形成されているせいもあり何処からの声かはわからない
「どっちみちあの馬鹿バーサーカーが強引に起動した以上俺も参加させられるだろう……本来俺は狂人の処理ではなく怪物の処理が生業だがそのおか
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