幻想少女の月捜索
仮初の少女と朧げな英雄
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の話を?」
シスターは慈愛に満ちた不快な笑みを浮かべて私を見る
「そう、あなたはまだなのね。時間はまだあるけど早くした方がいいわよ優衣ちゃん」
「優衣って呼ばないでください!」
あれ? 別にシスターが私のことを優衣と呼ぶのはいつものことなのに
何かが変わりだした
何かがおかしい
はやくしないと
真実を見つけないと
夢の終わりはすぐそこに……
翌日
溢れだした疑問の答えを求めて思考を巡らせるがあともう一歩が届かない
隣の席に座る購買部でバイトをしている友人が心配して声をかけてくれる
「大丈夫?」
「うーん、なんだか頭が痛くて……目の前がノイズみたいなので見えにくくて」
それを聞くとむしろ友人は安心したようでその表情が晴れる
「よかった……もう少しなんだね頑張って」
「どういう意味?」
もう少し?
そういえばこの友人とはどう出会った?
私はこの学園で何をしていた?
「ごめん、私は何も言ってはいけないの」
その時始業のチャイムが鳴り私は続きを聞くことはできなかった
授業は世界史 タイガーとみんなに呼ばれる先生による…………世界史は間桐先生ではなかったか?
わけがわからない
許容限界を超え遂に私は倒れてしまった
目を覚ましたのは見慣れない場所のベット
「大丈夫ですか?」
声のする方を見ると白衣を着た生徒の姿
保健委員のようだ
「ここは?」
「保健室です、授業中に倒れたとか」
そうだった
しかしなんだかこの保健室は懐かしい匂いがする
ベットから起き上がり周りを見ると保険委員の姿以外に人影はない
養護教諭が居ると思ったが……そういえば居なくなったとか言っていたか
窓際に配置された机をなんとなく触ると保険委員がキッと睨んできた
そこまで怒るようなことだろうか?
「そこはセンセイの使ってた机です」
「あぁ、そう……そういえば何て名前だっけ?」
使ってたという言い方はおかしくないか?
それともどこか別の学校に転勤したのだろうか
「私の名前は……「そっちじゃなくて先生の名前」
「センセイの名前なら…………」
私には保険委員の声が聞こえなかった
強烈な頭痛
偽りの世界が真実によって思いっきり揺さぶられる
「私は……先輩を……」
真実と虚偽の記憶が混濁したまま私は保健室を飛び出し校舎内を走り回る
違和感の終着点
真実への出発点
走り続けた結果をそれを見つけた
ただのコンクリートの壁だが間違いなくここだ
これが真実だ
そう意識すると壁は扉へと姿を変えた
部屋の中には1体のドール
「連れていけってわけね」
まったく、偽りの学生生活にお人形遊
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