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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第251話 日は沈む
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「サニーさん……って」
「っ……!」
アスナは、レイナを そしてリュウキを見た。
レイナ自身も表情を強張らせていた。そして悲しみもそこから読み取る事が出来た。 それ以上に深い悲しみに包まれているのがリュウキだと言う事も理解できた。
リュウキ自身は表情には出してい。……だけど十分すぎる程に伝わるのだ。押し殺している事が本当に伝わるのだ。
「……でも も、もしかしたら 同じ名を持つだけで、別人……という可能性は……?」
シウネーがそう聞いた。
場の雰囲気で 間違いなく知っている、という事は伝わっていたのだが それでも否定をしたかった。
此処から先の話は 悲しみしか生まないから。
メンバー全員が 今も尚引きずっているのだから。
「……
現実
(
リアル
)
の、話は…… 彼女としたことはあるのか? 彼女の……名を知っている……か?」
リュウキは、表情を変えずにそう聞いた。
シウネーは その表情を見て、思わず貰い泣きをしてしまいそうになったが、何とか堪えて、そして頷いた。
それを見たリュウキは、ほんの一瞬だけ間を置いた後に……呟くように、懐かしむように声に出した。
「サニー…… 彼女の名前。………
日向
(
ひなた
)
春香
(
はるか
)
。オレと一緒に仕事を、していた」
淀みなく言の葉を紡いでいたリュウキだったのだが 嘗ての記憶が揺り起こされていくのを感じたのか、身体が小刻みに震えていたのがハッキリと皆は判った。
「さに……は、…………お、おれ、ぼ、ぼく……… が、す、すくえ……なく……て……、う、うしな……っ」
言の葉が詰まりに詰まる。そして最後まで声に出す事が出来ない。
過去のトラウマが リュウキの頭の中でフラッシュバックを続けていた。目も眩み ただ立っているだけで精一杯だった。いや 今にも倒れそうだったと言えるだろう。リュウキ自身も落ちなかったのが奇跡だと言えるかもしれない程だった。
それ程までに そのトラウマはリュウキに深く刻まれていたのだから。
SAOの世界で支えてもらったからこそ、乗り越えられたが 完全に消える事などは出来ないから。
「リュウキ、くんっ……!」
リュウキの事は誰よりも知っているのはレイナだ。苦しみの理由も全て知っている。始めて心の内を打ち明けてくれたから。
だからこそレイナは 直ぐにリュウキの腕を取り抱き寄せた。
想いが伝わる様に。
――あの時とは違うから。今のリュウキ君は1人じゃないから。私が直ぐ傍にいるから。
そう伝える様に。
「………っ」
そのおかげで 踏みとどまる事が出来た。
話を聞く事が出来る様になったんだ。
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