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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
辺境異聞 8
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るほど、異授卵丹ねぇ……。あんたの国。いや、世界にもとんでもない外道魔術師がいるもんだね」
「そのとんでもない外道のもちいた、とんでもない外法で俺は生まれてきたってわけだ。さて、俺が自然の摂理に反する人造人間だと知って、嫌悪感を抱いたか?」
「出自がどうこうは問題ない。世間の連中からどう思われようが、大切なのはそいつ自身がどういう人間かだ」
「そうだ、自分でもわかってるじゃないか」
「…………」
「それとも、声に出して言って欲しいのか。『不老不死だの記憶喪失だの、そんなことはどうでもいい。大切なのは今の君自身だ』と」
「やめろよ、恥ずかしい」
「だが、事実だろう」
「まあな、《造られし者》カモ・アキヨシ」
「そうだ、《灰燼の魔女》セリカ=アルフォネア」
「あたしたちは似たもの同士ってわけだ。……なぁ、昨日の妙な治療。あれはなんだ? 私は助かったのか?」
「あれは経絡治療と呼ばれるものだ。完治させるにはもう少し治療を続ける必要がある」
「ケイラクとはなんだ」
「経絡というのは人の身体に流れる気の通り道で――」





 その日の夜。
 
「内功修練の時の姿勢は五心を手に向ける。五心とは両手の掌心、両足の掌心、頭の頂心、それで五心。内息を身体中に廻して丹田に収めるには背中、頭部を走る督脈と胸腹部を走る任脈を、舌を上顎につけて繋ぐことで可能になる。だが今回は内功修練ではなく治療だから、あんたはなにもしなくていい。俺の気に合わせるんだ」
「その気を合わせるというのすらわからん」
「手と手を合わせるだけでいい。妙な感じかも知れないが、力まずに流れに身をまかせるんだ」

 秋芳とセリカは向かい合って座り、おたがいの両の掌を合わせる。

「俺が気を廻らすから、舌を上顎につけて……」
「ふむゅ、こふか?」
「そのまま、俺の気の流れに逆らうな」

 秋芳は落ち着いた気持ちでじっと目を閉じ、視線を体内に向ける。
 体の熱い内息を尾てい骨のあたりに集め、そこから腎関、背中の両側の夾脊を経て、耳のつけ根の天柱、後頭部の玉枕とまわし、最後に脳の中の泥丸宮へ入れる。
 それらの動きを掌で伝え、そのままセリカに移す。

「あっ……ああっ……んっ、ああっ……あっ……」

 しばらくして今度は下を上顎につけて内息を額の神庭から鼻と口の間の水溝、さらに舌でつないだ鵲橋、喉の重楼、肺の右の黄庭、腎臓上の気穴を経て、へそ下の丹田へとゆっくり下げていった。

「ひあっ……やあぁ……かふっ………へあぁっ……くぅうんっ……はふぅうっ!」
「いいぞ、セリカ。その調子だ、覚えが良いな。これならすぐに良くなる」
「んんんっ、ンッっ、んんーっ、んふぅうううっ、ふむぅうっぅっ、ンゥウンンゥウンッ!」

 こうして七日の間、一日
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