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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 12
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様であらせられるぞ。帝の御前で頭が高い、一同ひかえよ」
さらにもうひとり、べつの青年が姿を現し宣言した。
シャツとベストにアスコットタイを締め、片眼鏡という時代錯誤ないでたちをしており、先に姿を見せた青年とは対照的に放蕩貴族然とした雰囲気をまとっている。
膝と両手をついて床に頭が触れるほど下げてひれ伏す閣僚たち。
相手の威光に打たれてそのような振る舞いをしているのではない、おのれの意思とは関係なく服従させられているのだ。
なにか見えない力で強引に平伏させられているのともちがう。
外からではなく、内より動かされているのだ。
甲種言霊。
閣僚たちはここにきてはじめて目の前の相手が常ならざる存在だと認識した。
「じゅ、じゅじゅっチュジュ、チェジウ、ちゅっ……呪術犯罪者だ! 呪捜部に連絡しろ! ジュジュツー!」
ジュジュツーとは陰陽庁の電話番号、一〇一〇二番を指す。警察には一一〇番、消防には一一九番、海上保安庁へは一一八番という緊急通報用電話番号があるが、陰陽庁には一〇一〇二番でつながる。その名のとおり「じゅじゅつ」の語呂合わせでおぼえやすい。
「犯罪者はおまえたちだろう」
赤毛の少女、新皇・相馬多軌子が経産省大臣を見据える。
「ひっ」
ヤクザまがいの風貌をした経産省大臣が年端もいかない少女の眼光に怖じ気づく。その視線に心の奥底まで覗かれるような感覚をおぼえ、恐怖を感じたからだ。そしてその感覚は正しかった。
「おまえはふたりの秘書と運転手を口封じのために練炭自殺に見せかけて家族ともども殺害した。○○組の××に実行を命じ、実際に手を下したのは――」
「……ッ!?」
「おまえは厚生省の薬務局長を務めていたころ、輸入された非加熱製剤が危険だと知りながらも国内の薬品メーカーの利益を守るため使用を黙認した。そのため二〇〇〇人もの血友病患者がHIVに感染させられ命を落とした」
「ひゃっ……!?」
「おまえは不良債権や不正な公金投入が明らかになったさい、財務省の銀行局長○○に罪をすべて押しつけて自殺に追い込んだ。さらにそのあと御用マスコミたちに『気の毒な銀行局長を自殺に追い込んだのは財政のむずかしさや官僚の苦労を想像できない人たちだ』と書かせて糾弾の声をそらした」
「う……」
「おまえは非合法の売春クラブで未成年の少女を買いあさり、ことが露見しそうになると経営者の男を自殺に見せかけて殺し、警察やマスコミに圧力をかけて捜査を打ち切らせ報道も止めさせた。……あきれたな、お前以外にもそこを利用していた輩がこの場に五人もいるぞ」
「「「「「しぇぇぇっ!?」」」」」
閣僚たちひとりひとりの心を覗き、その罪を暴露していく。
「おまえたちはそのようなことをする
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