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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 12
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幻術で宝石や偽札を作り放題。隠形をもちいてどのような場所にも侵入し、目視できない式神を打ち、遠くはなれた場所にいる人すら呪殺できる――。
空手の有段者やプロの資格をもったボクサーなどが傷害事件などを起こすと通常の加害者よりも思い刑罰が科せられる。剣道有段者が棒状の物で人を傷つけた場合も通常より刑罰は重い。これはその人の身体、技術自体が凶器とみなされるからだ。
こと陰陽師、呪術者に対する警戒はその比ではない。
現代の陰陽師はろくに海外旅行すら楽しめないのだ。様々な制約に縛られている陰陽師だが、これも彼らの抱く大きな不満の種のひとつであろう。
「それこそ律令制の時代みたく適当な官位官職でもあてがって満足してくれたら楽なのにねぇ。安倍晴明てのもそんなに身分は高くはなかったんだろう?」
「さて一応は昇殿できる身分だったようですが……」
安倍晴明の官位を思い出そうと記憶を探っているとき、それがきた。
GOGADGOOOGAAAAAッッッ!!!!
落雷の轟音を聴いた。と、大臣たちの幾人かは錯覚した。なんといっても日本は平和な国であり、二・二六事件を除けば西南戦争を最後に内乱とは無縁だ。よもやクーデターの砲声だとは思わなかったのだ。
轟音がおさまりかけたとき、床が波打ち壁が震え窓ガラスがうなった。天井でシャンデリアが踊り回り、花瓶が床へと落ちる。
「ひえーっ!」
数えきれない汚職、疑獄、背任、横領、詐欺商法、選挙違反、政治資金規正法にかかわり合う一八人の大臣は奇声をあげてテーブルの下にもぐりこみ、椅子にしがみつき、床にはいつくばって頭をかかえた。
「びえーっ、神様仏様なんでも白状しますからお許しを〜」
だれのものともわからぬ悲鳴、ガラスの割れる音、額縁ごと書画が落ちる音、秘書官や警護官の叫び声――。
大鳴動はしかし一分ほどで終わった。揺れがおさまり、静けさがもどると大臣たちは恐怖にひきつった顔を見合わせた。
「か、かなりの揺れでしたな」
「いやぁ、ちょっとばかりおどろいたけど、このくらいですんでよかったわなぁ」
大臣たちは呼吸をととのえ、ネクタイを締めなおし、乱れた白髪をなでつける。恐怖は安堵に変わりつつあった。
もとより地震大国日本に住んでいるのだ、この国の住人は貴賤を問わず多少の揺れではおどろかなくなっている。
「震度五くらいあったかな?」
首相官邸の内政審議室長は警察官僚の出身で、治安問題や災害の第一報は彼に伝えられることになっている。この人物が服装の乱れをととのえつつ、怪訝な表情を浮かべて首相のもとにやってきた。怪訝な表情は首相たちにも伝染する。
「観測不能ってそんなに大きかったのかね? ……へ? なんだって、揺れてない?」
気象庁
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