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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 12
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と自体あってはならないんだよ」
「しかしけっして軍事利用はせずに平和目的に使用するのが前提の法改正ですが」
「事実はどうあれ呪術の台頭、それ自体がいかんのだよ。近隣諸国を刺激しちゃあいかん。国家同士は相互に依存し合っているんだからさ、穏便に穏便に」
「それはそうですが呪術が他分野に転用されることで見込まれる技術力や生産力の増加はけっして無視できない国益でして――」
「ま、ま、とにかくとにかく」
意味不明のことを言いながら首相は大物記者の手をとると私設秘書を呼んで目くばせした。心得た秘書は別室に消え、すぐに分厚い封筒をもってあらわれた。首相はそれをつかむと大物記者の手ににぎらせる。
「この前うちの派閥の研修会をしてくれただろう、そのお礼さ。税金はこちらで処理するこら丸ごと受け取ってくれたまえ」
「……これはこれは、お心づかい痛み入ります」
「うちでは君をもっとも信頼できるジャーナリストだと思ってたよりにしてるんだ。陰陽法改正だとか悪い潮流や悪質なデマに流されることなく、これからもよろしくたのむよ」
「もちろんです首相、わたしたちは同志じゃないですか」
「うんうん、同じ志をもつ者同士仲良くしようじゃないか。次の選挙のときも公平で良心的な報道をたのむよ。政府や隣国の悪口を書けばいい、なんて低次元の記事は他社にまかせてだね」
「おまかせください、我が社はつねに政府の味方ですから。そんなことを書き立てる輩はネトウヨやレイシストだのヘイトスピーチの烙印を押して黙らせてやります」
懐を重くした大物記者がほくほく顔で帰ると、腰巾着の一億ナントカ大臣が興味津々のていでたずねた。
「失礼ですがいくら包んだのですか」
「二〇〇万円だがね」
「ははぁ、プロの作家だってそこまで高い講演料はとらんでしょうに」
「なあに、新聞社を丸ごと買収すると思えば安いものさ。たかが二〇〇万程度のはしたカネでジャーナリストの節操を売り渡してくれるんだからさ」
「首相、ちょっとよろしいですか」
ジャバ・ザ・ハットのような国土交通大臣がひとりの男を紹介した。先ほどの大物記者の後輩にあたる人物で、国交省を担当しているのだが、近く結婚する。相手は都議会議員の娘で、首相に媒酌人になって欲しいというのだ。
「ふんふん、まぁスケジュールさえ合えばかまわないよ。でもいいのかい、新聞記者が政治家に媒酌なんぞしてもらって。政治報道の公正という点から見て、ちょいと問題じゃないのかい」
「おもしろい冗談ですなぁ」
「ふひひ、いささかわざとらしかったかな」
その場にいた全員が大声で笑いあった。田舎議員や新聞記者にぺこぺこ頭を下げさせるのは権力者の愉しみのひとつだ。口ではいくら偉そうなことを言っても、裏ではこんなものだ。と彼らは思いたいのだ。富や権
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