ペルソナ3
1893話
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「後悔してるのは分かるが、それでもいつかお前の力が必要になったらどうするつもりだ? 俺に助けてって泣きつくのか? まぁ、それで協力出来るのならそれもいいかもしれないが、俺がいつまでもお前の側にいるとは限らないだろ? そもそも、俺のような奴に頼るってのは外聞的に色々と問題があると思うが?」
意図的な挑発だったが、それでも荒垣のどこかに感じる部分はあったのだろう。
俺を睨み付けるように、強い視線を向けてくる。
うん、この調子で挑発をすれば……
そう思った瞬間、荒垣は深く溜息を吐く。
「アルマー、お前の言いたい事は分かった。だが……幾ら何でもすぐに決められる筈もねえ。悪いが、もう暫く時間をくれ。1人になってよく考えてみたい。俺がこれからどうしたいのか……そして、どうするべきなのかを、な」
追加の挑発はいらなかったらしい。
荒垣も色々と思うところはあるようだが、この短時間で多少なりとも心を決めたらしい。
もっとも、どうするかを自分で決めるって事は、最悪の場合俺達のパーティから抜けるという可能性もあるって事なんだが。
……出来れば、そんな事にはなって欲しくない。
カストールを見た今だからこそ、つくづくそう思う。
「分かった。なら、俺からはこの辺にしておく。どうする? いつもみたいにポートアイランド駅の側まで送っていってもいいが」
「いや、今日はいい。さっきも言ったが、1人でちょっと考えたいからな」
影のゲートを使って送るのを断った荒垣は、そのままゆっくりと歩いて、公園に設置されているベンチのある方に向かう。
荒垣がどうするのか、気になるのは間違いないが、それをここで俺が心配してもしょうがない、か。
そう判断すると、俺はそのまま影のゲートに身体を沈め……やがて、自分の部屋に姿を現す。
ちょっと前までここには俺以外にも2人いたんだが、影時間だからか、そのような痕跡はない。
いや、そこまで長時間いた訳じゃないんだし、あの時の熱というか、暖かみがなくなっても、それは当然かもしれないが。
ともあれ、そんな感じで誰もいない中、空に浮かぶ月を見ながら空間倉庫から取り出したサンドイッチを食べる。
空に浮かぶ月は、一昨日が満月だった為だろう。こうして見ている限りでは、まだ殆ど満月と変わりないように思える。
そんな満月未満の月を見ながらサンドイッチを食べていると……やがて時間が来たのだろう。影時間が終わり、普通の時間に戻る。
それを確認して、桐条に電話しようとし……ふと、ゆかりに連絡してなかった事を思い出す。
荒垣の件が終わったら、向こうに顔を出すつもりだったんだが、色々と重い事があったから、すっかり忘れてた。
このままだと騒動になると、ゆかりの携帯に電話を掛ける。
すると、
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