ペルソナ3
1893話
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はどうなのか分からないが、恐らく身体能力――ペルソナにこういう表現が合うのかどうかは分からないが――も上がっているだろう。
「そして、戦いを通す事でペルソナを操る能力が上がるというのも、また事実だ。それは、ゆかりを見ていれば分かるだろう?」
「ああ」
実際、最初はペルソナを扱うのが下手だったゆかりだが、戦闘を重ねるごとにイオを操る練度も増している。
「荒垣の場合、特に必要とされるのはこのペルソナを操る能力だ。カストールの能力が初期から高いからこそ、それを操る能力も他のペルソナ使いよりも高い能力が必要とされる」
本当に今更の話なのだが、S.E.E.Sとして桐条と真田の3人で活動していた時に、今よりもタルタロスに多く挑んで戦闘経験を重ねていれば、多分荒垣はペルソナの暴走を経験するような事はなかっただろう。
もっとも、それはあくまでも『たられば』の話であって、当時はその辺りの事情とかもよく分かっていなかった可能性が高い。
「……んだと……」
俺の言葉に、荒垣が珍しくショックを受けた表情を隠しもせずにこちらを見てくる。
「それは、本当なのか? だとしたら、俺は……」
「本当かどうかは、それこそ分からない。あくまでも、俺が感じた事だからな。もしかしたら違う可能性もあるが……他のせ……いや、今まで俺が経験してきた感じからすると、恐らくは間違いないと思われる」
ただ、ちょっと心配なのは……荒垣のペルソナのカストールは、ゲーム的によくあるお助けユニット的な存在なんじゃないかという事だ。
RPGやS・RPG、SLGといったゲームはよくあるのだが、最初から仲間にいる中では高いステータスを持っているのだが、仲間が成長するにつれ、やがて出番がなくなっていくという。
そういうお助けユニットで、成長率が低かったり、成長限界が早かったりと、そんなのではない事を願う。
「じゃあ、俺は……俺は……」
俺の言葉に納得したのか、それ以外に何かあったのか。
ともあれ、荒垣は地面を見ながら苦々しげに呟いていた。
まぁ、桐条達から離れているのを見れば分かるが、恐らく色々とあったんだろう。
それこそ、そう簡単に他人に言えないような事とか。
「お前に昔何があったのかは分からない。それこそ、お前のような男が今も後悔しているところを見れば、相応の何かがあったのは分かる。だがな、だからこそ今はお前も戦って、自分のペルソナを完全に使いこなせるようになる必要があるんじゃないか?」
荒垣の様子から考えるに、ペルソナの暴走ってのが後悔の根元に存在している筈だ。
である以上、それをどうにかする為に動くのはおかしな話ではないと思う。
「俺は……俺は、もうこんな力なんかいらねえんだ。使わねえと決めている」
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