第五章
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「ああはなりたくないってな」
「御前も反発してだよな」
「ワルになろうとしてたな」
「そうだったな」
「ああ、けれど本当にな」
それがとだ、ポールはまた言った。
「ワルをしようって思ったらな」
「いつもだよな」
「それでかえっていいことをしたことになってるからな」
「家の仕事をやったりどうしようもない屑共に制裁を与えたり」
「他にもだろ」
「ゴミを放り捨てようとしたら何故かゴミ掃除をしていたり」
「立ちションしようとしたら子猫拾って保護して飼い主見つけてあげたり」
「色々だよな」
「そうしたことばっかりだよな」
「そうなんだよ、これも全部か」
これまでのことを思い出しつつだ、ポールは友人達に言った。
「神様がそうさせてるんだな」
「そうじゃないのか?」
「御前に悪いことをさせまいってな」
「神様がしてくれてるんだよ」
「御前の考えを見抜いてな」
「何か面白いな、しかし考えてみれば」
ここでだ、こうも言ったポールだった。ここで。
「それでも悪いことは出来たよな」
「ああ、臍曲げて家の為に飲むかとなったりな」
「いじめも見過ごしたりな」
「子猫も放置したり」
「ゴミも掃除しなかったりな」
「全部そう出来たな」
ポールはこれまでのことを思い出しつつだ、友人達に答えた。
「今思うと」
「ワルになってたぜ」
「御前が望む通りのな」
「むしろそれ以下のワルかもな」
「そうなっていたかもな」
「御前が再起不能にした屑共までにはならなかっただろうがな」
いじめやカツアゲ、レイプ等を平然と行う様な連中にまで堕ちなかっただろうがというのだ。
「連中色々やってたらしいからな」
「今じゃ被害者に花束で笑顔の見舞い受けまくってるらしいぜ」
「これまでの悪事の損害賠償まで請求されてな」
「逃げた家族も見付かって内臓売れとか言われてもいるらしいぜ」
「全部自業自得だけれどな」
「俺もあそこまでなるつもりはないさ」
彼にしてもというのだ。
「ワルでもな」
「あれは屑だからな」
「ワルと屑って違うからな」
「言うなら連中は人間止めてます、だからな」
「死んだら地獄行き間違いなしだな」
「どうしようもない連中だからな」
「だから俺も容赦しなかったんだよ」
ポールもというのだ。
「完全に再起不能にしたんだよ」
「まあそこまでならなかったにしてもな」
「ワルにはなってたぜ」
ポールが思っていた通りにだ。
「そうなってたぜ」
「けれどそうならなかったってのはな」
「御前にいいことをしようって気持ちもあったからだろ」
「神様はそこも見てたんだよ」
「そこで御前が見過ごさないってこともな」
「そうなんだな、何か人間ってあれだな」
神のことも思いつつだ。、ポールは
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