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ワイン漬け
第一章
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に語るクレスパンの顔を見つつ応えた。
「今は」
「まるでワインに漬けられた様だ」
「ははは、面白いことを言う」
「ワイン漬けになっているということがか」
「そうだ、僕がワイン漬けか」
「そう思えてきた」
「ワイン漬けか、それならそれでいいかも知れないな」
 ルクランはむしろだった、クレスパンの指摘というか忠告を受け入れてこんなことを言って応えたのだった。
「面白い、そして僕に相応しい」
「ワイン漬けになってもかい」
「そうさ、君は溺れているというが」
「ワインを愛しているからかい」
「それならそれでいい、飲むことは続けるしね」
 言いつつ現在進行形で飲む、赤ワインを実に美味そうに飲んでいる。
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