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ヘタリア大帝国
63部分:TURN6 北京星域会戦その九

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TURN6 北京星域会戦その九

 柴神の艦隊がいた。彼は艦橋から指示を出していた。
「では前の三個艦隊に続こう」
「はい、それでは」
「今より」
 コーギーと猫がモニターから柴神に応える。
「我等も田中さん達に続き」
「中央突破ですね」
「敵陣は思いの他呆気なく崩れた」
 樋口の逃走がだ。そのまま全軍の崩壊を招いたのだ。
「あそこで楯がなくなったのがな」
「そうですね。そのままです」
「敵軍の崩壊につながっています」
 今度はパンダと手長猿が述べる。
「ではこのまま攻めれば」
「順調にいけますね」
「そうだ。祖国殿達の艦隊も来てくれている」
 その六個艦隊はだ。柴神達の艦隊の横にいた。
「ではこのまま攻めれば」
「いけますか」
「そうだ。この戦いは勝てる」
 柴神は己の旗艦の艦橋から断言した。
「新生日本帝国軍の初陣を飾れるぞ」
「ではこのままです」
「我々も」
 こうしてだった。柴神や日本達の艦隊もだ。一斉に攻撃に加わる。だが、だ。
 柴神の周りは妙に和やかでだ。女性士官達が柴神を囲んで言っていた。
「うわ、ふかふわかですね」
「尻尾が可愛いですね」
「待て、そんなに触るな」
 困った顔で彼女達に言う柴神だった。
「今は戦闘中だぞ」
「わかってます。けれど」
「柴神様って何か可愛いんですよね」
「毛並みもいいし」
「まるで柴犬だな」
 そうした扱いだとだ。柴神も言うのだった。
「全く。困ったことだ」
「だって。そのままじゃないですか」
「柴犬ですよね」
「そうですよね」
「とにかくだ。今は戦闘中だ」
 だからだというのだ。
「いいな。戦闘には専念してくれ」
「はい、わかっています」
「それでは」
 戦いに対して自体は真面目だった。かくしてだ。
 柴神も日本も戦闘に入る。その中でだ。
 日本もだ。左右から来る中帝国軍の相手をしていた。その中でだ。
 日本は敵の動きを見つつだ。こう言うのだった。
「敵の動きが」
「遅いですか」
「いえ、遅いのではなく」
 違うとだ。日本は台湾に対して返す。
「やはり樋口提督の逃走がです」
「戦局を動かしましたか」
「中帝国側にとっては悪く」
 そしてそれは言い換えればだった。
「我々にとってはよくです」
「なっていますね」
「そうです。おそらく彼等は樋口提督を楯にしてです」
 そうしてだというのだ。
「その隙にです」
「我々を囲むつもちだったというのですね」
「そうです。そうなれば危うかったです」
 彼等にとってだ。そうなっていたというのだ。
「しかしそれがです」
「楯、囮となる樋口帝国の艦隊が壊乱してですね」
 指揮官が逃げてはどうしようもなかった。

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