第三章
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「後はな」
「こっからだな」
「どんどん減ってくな」
「そしてマジックがなくなったら」
「零になったら」
その時こそというのだ。
「優勝だな」
「カープがな」
「いよいよな」
「そうなるな」
「ああ、楽しみだぜ」
「阪神にとっては残念だけれどな」
カープファンは阪神というか巨人以外には寛容だ、尚このことは阪神ファンも同じだ。彼等は球界ひいてはスポーツ、日本、果てには世界を汚す敵が誰であるのかわかっているのだ。それが巨人であると。
「あのチームも魅力あるしな」
「華があるんだよな」
「けれど今年も優勝はうちだ」
「カープだ」
「まあそこは我慢してくれってな」
「阪神はな」
阪神への寛容な気持ちも出す、そしてだった。
彼等はマジックがどんどん減っていくと思った、しかし。
ここでだ、阪神は急に勝ちだしてそして対する広島は。
思う様に勝てなくなってきた、所謂足踏み状態になってしまった。ファン達はその状況にやきもきした。
「何だよ」
「ここで足踏みか?」
「それはないだろ」
「勝ってくれよ」
「あと少しだぜ」
「阪神急に勝ちだしたしな」
「巨人にまた三連勝かよ」
「しかも完全試合まで入れてな」
甲子園で巨人を成敗したのである。
「この時期の阪神って負けだすのにな」
「地獄のロードの疲れが出て」
「それが何だよ」
「急に勝ちだしてな」
「逆にこっちは勝率落ちたな」
「マジック中々減らないな」
彼等が思っている様にだ。
「カウントダウンはじまってたっていうのに」
「何でなんだよ」
「流石に差があるから逆転されることはないにしても」
「この状況何とかならないのか」
「どんどん勝ってくれよ」
「これまでみたいにな」
三月から八月までは勝ちまくっていたのだ、それこそ阪神が勝つよりもさらに凄い勢いでだったのだ。
「何でここで止まる?」
「ここまで来たら止まらないでくれ」
「優勝してくれ」
「一気に胴上げまでいってくれ」
「クライマックスがまだあるけれどな」
「それでもな」
「胴上げまですぐにいってくれよ」
「これまでの勢いならもう優勝してるだろ」
だがその勢いが止まってというのだ、
「まだマジックあるぜ」
「あと三か」
「その三減らすのも大変そうだな」
「もう出たり消えたりしないだろうけれど」
「一勝一勝地道にしていくしかないか」
「阪神あまり負けなくなったしな」
実は彼等にとっても阪神ファンにとってもこのことが不思議だった。秋にいつも負けだすチームだからだ。
「ここはな」
「うちが勝つしかないな」
「本当にな」
こう話してだ、彼等は愛するカープを見守るが。
阪神はこの日の試合負けた、そして広島は勝ちこれで遂にマジック一とな
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