幕間08 許嫁の陸軍長官からお礼に何でもするって言われたので
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「貴方は他の女性を抱いているのにか?」
「……ごめん」
「いや、いい。すでに事情は戸塚軍医から聞いてる。
満州会戦の大敗北の後から一人寝が怖くなったと……大丈夫なのか?」
「ああ。軍令部総長になる前に軍医によるストレステストも受けたし軍務に支障はないとのお墨付きだ」
「そうか。今までそんな不安を抱えていたなんて知らなかった。
陸軍長官として年上の部下を相手に四苦八苦していた私からは、
同じ若年での起用にも関わらず順調に仕事をこなしていく貴方はとても強く見えていたから……」
「ううん。いいよ。お見合いの後にも伝えなかったしね。
オレからは利古里ちゃんの方が強くてカッコいい女性に見えてたから良い恰好したくて黙ってた」
「……婚約者同士なのにお互いのことが何一つ分かっていなかった」
「そうだね。けど、これからは深く知っていけるでしょ?」
「ああ……だから、今日は覚悟してきた。貴方の不安や昂りを鎮めるのを手伝いたいんだ」
「他の女性と関係を持ってたこと、もっと怒られるものだと覚悟してた」
「私も陸軍長官だ。戦場で心の傷を負った部下を何人も知っている。理解はあるつもりだ」
「甘えてもいいのかな?」
「ああ。婚約者として頼って欲しい。一人の女として甘えて欲しい。
仕事の場でも、プライベートでも、お互いに支え合い高める関係になりたいんだ」
「わかった。ダメなことはダメ言ってくれ……婚前交渉まではしない……
利古里ちゃん線引きは守るよ……今は勝手に興奮して……すごく恥ずかしいけど……」
「ああ。鎮める手伝いとは具体的にどういう――」
言い終わらないうちに衝動的に彼女を抱きしめる。
細い腰を抱き寄せて、ゆっくりと唇を重ねる。
突然の口付けに驚いた様子だったが抵抗することはなかった。
何度も角度を変えて優しく唇を重ねながら、彼女をベッドに静かに押し倒す。
舌を絡めつつ相手の背筋を優しく撫で上げると、利古里ちゃんはびくりと反応して衣服にすがってきた。
「そんなに緊張しなくていいよ……オレがリードするから、
ゆったりと力を抜いて自然に身を任せて……」
唇を離して話しかけると利古里ちゃんは顔を少しだけ朱く染めていた。
「し、仕方ないだろ……婚約者といえども、男に肌を晒して抱かれるなど、女にとっては一世一代の……」
時代がかった物いいがとても可愛らしい。ヤバいなぁ。
止められなくって最後までヤッちゃいそうだ。
「じゃあ、婚約者同士のファーストキスの続きをするから……」
「あ、ああ……よろしく頼む」
再び唇を重ねると熱い口内に煽られて執拗なまでに彼女の舌を愛撫する。
少し息苦しそうだけど甘い吐息が漏れてきて、ち
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