第二章 鈴木と鈴木
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ。
「そうなったらおしまいやな」とても悪い顔になっている。
「今回だけやぞ…」
「ありがと、そういうとこ嫌いじゃないで」
2人の会話を聞きながら吉川部長と高坂先輩だけは敵に回さないでおこうと固く誓ったのだった。
翌日
朝、登校して自分の席に着くと
「おはよ」
「おはよ〜」
「おっす」と前の席と横の席で話している2人から声がかかる。
「おはよー」
「なあなあ神木君、昨日楽器決めの時に由紀ちゃんいたの気づいてた?」
「あ、いや気づかんかった…悪い」
「そりゃそうだよね、48人もいたんだから仕方ないよ」
水瀬由紀、身長は俺より少し低めのロングヘアで大人しそうな感じで今小松さんと話してる子だ。ここ3組には吹奏楽部が合計4人いることになる。ちなみに水瀬さんはテナーサックス担当らしい。
カバンを自分の席に置いてこちらにやってきた宗人は
「なあなあ、球技大会の種目何出るかもう決めた?」
「いや、まだやけど」前の席の小野が答える。
小野翔平、身長は男子の平均くらいでパッと見一言でいえばチャラい感じだが話しやすい人だ。ちなみに軽音楽部らしい。
「んー私もまだやな…そもそも運動自体あんまり得意じゃないし…」自信なさそうに水瀬さんは言う。
「私も」
「そういう宗人は?」
「俺は野球かバレーに興味あり!」
「んー…それなら野球かな」
「じゃあ野球で」宗人が即答する。
「え?2人とも野球得意なんか?」小野が心配そうに聞いてくる。
「いや、キャッチボールかバッティングセンターしかやったことないで」
「なんじゃそれ…」
「まあ運動神経は悪くない方やと思うし、拓海も足だけはくそ速いからな」
「足だけって…そうやけど」
「へー神木君50m走タイムいくらなん?」小松さんが食いついてきた。
「5,9~6,1秒」
「えっ…すご」
「は?チーターやんけ!なんで吹部やねん、普通に全国レベルちゃうの?知らんけど」小野は驚きのあまりひっくり返った。
「なあ竜次〜!」宗人が同じクラスで同じ中学だった悠木竜次を呼ぶ。
「あのさ、今度の球技大会俺と拓海と竜次で野球せん?」
「あぁ…別にいいが」
「竜ちゃん大丈夫なん?」
悠木竜次、宗人ほどではないが高身長で運動もできるただのイケメンだ。憎い。
中学では野球部だったが高校では野球部ではなく陸上部に所属している。
そう、この学校の球技大会はその部活に入ってる人はその種目には出られない。
「大丈夫や!優勝狙うんか?」
この学校の球技大会は生徒にやる気をださせるためか優勝した各学年のクラスは1週間食堂のメニューが無料になるのだ。
「どうせならそのほうがいいっしょ」と宗人はやる気に満ちていた。
おい張り切ってるところ悪いが種目決めるのは1週間先だし本番においては3週間先だぞ!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ