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第二章 鈴木と鈴木
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知らんかったわ」
「私も」中川先輩に続き傘木先輩と鎧塚先輩が口にする。
秀一君はしゃがみこんで呻いていた。
「まあ別に誰彼言いふらすつもりはないから安心して」
「はぁ…それはどうも」
「塚本君、1年生部活初日やのにもう仲良くなったん?すごいな〜」
「ちゃうで希美、この3人と黄前は小学校からの幼馴染らしいわ、友恵が言っとったわ」吉川部長が訂正する。
「そういうことやったんか」
「まあせいぜいうまくいくように願っといたるわ、じゃ!お疲れ」
「お疲れ様です」3年生4人に対して男3人が挨拶する。
まるで台風が通ったかのように秀一君をイジるだけイジって帰っていった。
「俺たちも帰るか…」その声に生気は宿っていなかった。

 15分後
 なんでも入学祝いにと秀一君が肉まんを奢ってくれるということでそのお言葉に甘えて駅近くのコンビニに寄っていた。
駅前ということもあり北宇治の生徒によく利用されているらしい。
コンビニの外に設置されているベンチに座り3人で肉まんをほうばっている。
「うまいっす!」
「だろ?練習の後の肉まんは犯罪的だよな」
「そういえばさっきの先輩4人って仲良いんですか?」
「そうちゃう?あの4人と加部先輩の5人でいるところよく見かけるし…なんで?」
「いや、単純に気になっただけです」
「肉まんええな〜それにしても懐かしい組み合わせやな」突然ひょいと横から入ってきた。
「おい、ビビるやろ高坂…」
「あ、ごめん」
「高坂先輩お疲れ様です!秀一君に奢ってもらったんです」俺と宗人が同時に声を出す。
「おい!余計なこと言うなや」
「お疲れ、神木君と櫻井君久しぶりやね」
「僕らのこと覚えててくれたんですか!?」
「そりゃ2年間も一緒に同じ部活にいたんやから名前ぐらいは覚えとるよ、誰かさんの彼女とは違って」少し嫌味を含んだ言い回しで秀一君を見る。
「ん?もしかして久美子のことか?」
「あれ、もう2人は付き合ってること知ってるん?」少し残念そうに秀一君に聞いてくる。
「まあな、それよりさっきのどういう意味だよ」
「そのままの意味や、この前楽器室で久美子、小日向夢ちゃんと会ったらしいんやけど初対面の態度取られたって夢ちゃん言ってたから」
「うわ〜」それは確かにショックだ。
「というか小日向さん北宇治やったの知らなかったです」
「まあパートも学年も違ったから仕方ないっちゃないんやけど…塚本、アタシにも肉まん奢ってや」
「なんでやねん」
「残念、そのうちもしかしたらポロっと口が滑るかもしれへんな、あることないこと。特にホルンの瞳さんとかに」
「おいおい正気か?そんなことしたら秒で吹部全体に広まって1日で学校全体に広まるぞ」
ただでさえ男子部員が少なく肩身が狭いのにこんなことされたら一撃でノックアウト
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