第四章
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その話を聞いてだ、クロムウェルは頷いて答えた。
「わかりました、それでは」
「これからか」
「はじめさせて頂きます」
その仕事をというのだ。
「依頼通り」
「ではな、ただ」
「ただ、ですね」
「こうしたことはな」
どうもとだ、カニンガンはクロムウェルに戸惑いと共に述べた。喫茶店でティターニアとは違う店に入っている。
「どうもな」
「はじめてですか」
「結婚してからは妻だけだった」
「それ以前は」
「交際相手はいたが」
しかしというのだ。
「こうしたことはなくてな」
「喫茶点のウェイトレスさんを好きになったことは」
「なかった」
それこそ一度もというのだ。
「だからな」
「戸惑っておられますか」
「しかも結婚してからでだ」
「相手は娘さんよりも年下で」
「こんなことはな」
どうにもというのだ。
「なかったのでな」
「まあそうしたこともあります、ですから」
「ここはか」
「私にお任せを」
クロムウェルは笑って答えた。
「全ては」
「頼んだぞ」
芝居がかったお辞儀をした彼にだ、カニンガンは乗って芝居がかった威厳を見せて応えた。そしてだった。
提督としての職務を忠実に行いつつ事態の進展を聞いていった、それは彼が満足出来るものだった。
「こうしたことのプロだけはあるな」
「そうですね」
グラッチスンはカニンガンに応えた、この日は執務室でティータイムの合間に話をしていた。
「まずは彼女の身元を調べ」
「そしてだな」
「提督のこともお聞きして」
「どうして恋愛が成就するか」
「そうしたことからはじめていますね」
「何かだ」
ここでこうも言ったカニンガンだった。
「日本のゲームだが」
「日本のですか」
「恋愛育成ゲームというものがあるがな」
「日本にはそうしたゲームもあるのですか」
「最近妹の末っ子が夢中だ」
「そうなのですか」
「それを思い出した」
「日本はそうしたゲームも出しているのですか」
「そうだ、そしてそのゲームではな」
実際にとだ、カニンガンはミルクティーを飲みつつグラッチスンに述べた。
「女の子のことを調べてな」
「恋愛を育んでいく」
「そして彼女にしていくというな」
「そうしたゲームですか」
「そんな感じだな」
クロムウェルの仕事ぶりはというのだ。
「報告を聞いて思った」
「成程、そうなのですか」
「うむ、ではだ」
「はい、後はですね」
「彼に任せよう」
「そうしていきますか」
「そうすればな」
カニンガンはグラッチスンがティーセットのビスケットを食べるのを見つつ彼に確かな声で言った。
「私の恋愛は適う」
「そして後は」
「社会に公にならない様にする」
「そうしていきましょう」
不倫
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