第四章
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「その全てに魔術も加えるものよ」
「そうですか」
「それじゃあ」
「安心して買いなさい」
女の子達に微笑んで告げていた。
「全部ね」
「はい、わかりました」
「そうさせてもらいます」
女の子達は店長さんの言葉に頷いてだった、そのうえで。
お店の品を買ってレジに向かった、レジにも黒いメイド服の娘がいた。どの娘も全部黒のメイド服でしかもお人形さんみたいに可愛らしい。
店長さんはその娘達を抱き寄せやり軽く接吻したりしつつお店の中を見回ってそれからだった。こんなことを言った。
「では私はね」
「別のお仕事ですか」
「そちらに行かれるんですね」
「ええ、モスクワまでね」
悠然と凄い遠い場所を言った。
「終わらせてすぐに戻って来るわ」
「わかりました」
「じゃあ待っています」
「では戻って来られたら」
「また」
「楽しませてあげるわ」
妖しい笑みでこう言ってだ、店長さんは何処かに消えた。その店長さんを見てから私達はものを買ってお店を出た。
それからだ、私は道玄坂を下って道を戻りつつ友人に言った。
「少なくともね」
「っていうと?」
「ええ、あのお店と店長さんはね」
「バビロンっていうのね」
「凄い奇麗だったわ、何か」
一目見たら忘れられないまででだ。
「ビアンっぽくて」
「そんな感じだったわね」
「退廃的でね」
「それでっていうのね」
「バビロンな感じがしたわ」
まさにだった。
「本当にね」
「そうね、私もあのお店の店長さんはじめて見たけれど」
「奇麗ね」
「ええ、凄くね」
「退廃的で」
「私も思ったわ」
「バビロンね」
私がこの名前を出した。
「そうね」
「あの人はね」
「まさに東京バビロンね」
「それか夢幻紳士か」
「夢幻紳士?」
「こうした漫画もあるの」
「そうなの」
「少年版と青年版があって青年版のね」
それでとだ、友人は私に話してくれた。
「あの人は青年版ね」
「そんな感じなの」
「この漫画主人公は男性だけれど」
「あの人はそんな感じなのね」
「夢幻紳士って感じよ」
「そうなのね」
「ええ、本当にね」
私にこうも言ってきた。
「ああした感じの人いるのね、退廃的な」
「夢幻紳士も退廃的なの」
「そんな感じよ、外見はね」
「そんな美青年なの」
「舞台は戦前の東京で」
東京バビロンと同じ街でも時代が違っていた。
「やっぱり退廃的なの」
「そうなのね」
「何だかんだで東京って退廃的な一面強いのね」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「ああした人もいて」
「バビロンなのね」
「それは確かにあるわね」
「そういうことね」
「いや、けれどね」
「けれど?」
「あの人は本
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