第三章
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私は友人にだ、赤いブローチを手に取りつつ尋ねた。
「何買うの?あんたは」
「イヤリングにするわ」
友人は深い青のそれを見ていた、ルーン文字が刻まれている。」
「それにするわ」
「イヤリングなのね」
「あんたはどうするの?」
「ブローチもいいけれど」
安売りのコーナーに緑のネックレスがあった、そこには何か古代エジプトの何かがあるとか書かれている。
「このネックレスいいかしら」
「それにするの?」
「災厄除けとあるし」
「災厄ね」
「最近変にトラブルあるから」
だからだというのだ。
「これにしようかしら」
「ネックレスね」
「これにね」
「そうなのね、私はね」
彼女が選んだイヤリングはというと。
「商売繁盛の効果あるっていうから」
「あんたのお家の商売も?」
「そう、雑貨屋さんね」
お家のその商いのことがというのだ。
「もっと儲かりたいから」
「だからなのね」
「これにするわ」
「そうするのね」
「ええ、イヤリングにね」
まさにとだ、こうした話をして買うものを決めていると。
お店の中にいる中学生位の娘達がこんなことを話していた。このお店はいつも女の子や女の人で賑わっている。
「魔法の効果があるっていうけれどね」
「本当かしら」
「気休めじゃないの?」
「インチキじゃないの?」
こんなことを話していた、魔術とかいうとそう思うのも当然か。だから私もその話にはそうしたことも言えるかと思っていた。
けれどその娘達のところにだ、凄い人が来た。
黒いスーツとズボンと靴、赤いネクタイに白いブラウスを身に着けた女の人だった。長いさらりとした黒髪を後ろで上に束ねているい。切れ長の黒い目は睫毛が長くて奥二重になっている。眉は細く奇麗なカーブを描いている。
顔は白く面長で小さな唇は紅だ、背は一七〇位で胸はかなり大きくウエストは引き締まっている。
その人が黒いメイド服このお店の店員さんのユニフォームを着た娘達を左右それぞれの腕で抱き寄せたままその娘達のところに来て言った。
「このお店にあるものは全部本物よ」
「えっ、貴女は」
「一体」
「このお店の店長よ」
はじめて見た、このお店の店長さんは。噂では物凄い美人さんだとのことだけれど確かにとんでもない美人だ。
「そして魔術師よ」
「魔術師!?」
「そうなんですか?」
「そうよ、黒魔術師よ」
店長さんは女の子達に妖艶な笑みで答えた。
「そしてこのお店のアクセサリーはね」
「それは?」
「全部ね」
それこそというのだ。
「私が造って仕込んだものよ」
「魔術を」
「そうなんですか」
「だから全部魔力が備わっているわ」
実際にというのだ。
「値段分の力しかないけれど事実よ」
「そうなんですか」
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