ep9 西暦2296年 (1)
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
、自分たちの声を知らしめようとアフリカ各国でテロ活動を続けている。
デニス中尉は顎に手を当て、低い声で呟いた。
「しかし、あれ関係だと傭兵連中が邪魔ですね」
「ああ。各国の要請を受けてAEU軍の特務隊が現地に派遣されている。だが国の1つが自国警備のために傭兵を雇ったせいで軍が動きづらくなっている。奴らはAEUのバックで仕事をしていない。国の領土で戦闘になったら、奴らはアルストスだけじゃなくAEU軍も攻撃してくる」
「それを解決するために作戦が考案なされたのですね」
「いや、解決はできないだろうな」
メルビス大佐はあっさりと言ってのける。その他人事のような台詞に俺は思わず言ってしまった。
「では、作戦は何のために行われるのですか。敵の戦力を削れるだけ削るためだけですか?」
「惜しいな。具体的には抑制するんだよ」
「抑制……」
メルビス大佐は俺たちの後ろに目をやり、声を上げた。
「入りたまえ」
するとドアが開き、1人の女性が司令室に入ってきた。身長は女性にしては高めで、眼鏡の内に光る鋭い目が印象的だった。シミのない顔に口元のホクロが目立つ。スーツを着ているところを見ると、軍人とは言いがたい。
その女性は軽く頭を下げてから自己紹介する。
「ユニオン大学のカティ・マネキンです。本作戦は私が考案しました」
俺もデニス中尉も何も言えなかった。相手が俺たちより若い女だったからではない。
その女は、これまでにAEU領における紛争を3つ解決に導いた噂の大学生だったからだ。
続
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ