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提督はBarにいる。
風邪引き提督と艦娘達・3
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美味かったぞ金剛」

 普段から食い慣れた嫁の料理を間違えるハズもない。この定食は全て、金剛が用意してくれた物だ。そうやって労いの言葉をかけても、金剛は俯いたままだ。

「……何でデスか」

「あん?何が」

「何でdarlingは私にお世話させてくれないデスか!もう私に飽きちゃったノ!?」

 金剛は目に涙を浮かべて、精一杯の抗議をしてきた。どうやら、正妻として寝込んでいた俺の世話を出来なかった事を気に病んでいたらしい。しかし俺の体調を考慮して殴りかかって来ない辺り、コイツの優しさが見てとれる。

「はぁ……バカだねお前は。俺ぁお前を信頼して、この鎮守府を任せたんだ。俺の優先すべき事は一刻も早く風邪を治す事だと肚に決めてな」

「浮気したいと思ったんじゃないの?」

「アホか、俺が惚れたのはお前なの。他の連中は来る者拒まずで受け入れちゃいるが、俺が求めたのはお前だけだ」

「じゃあ、何で最近構ってくれないデスか?」

「あ〜……何というかな、金剛。俺にとっちゃお前は酸素みたいなモンなんだ」

「……それ空気みたいに存在感が薄いって事じゃ」

「違ぇよ。……酸素がなきゃ、生きてけねぇだろが」

 それに、酸素って奴は厄介で、濃度が濃すぎると中毒を引き起こす事もあるのだ。つまり金剛と過度にイチャつき過ぎると、そのままズルズルと堕落していってしまいそうで、それが怖くて過度なスキンシップは避けている節がある。それを聞いた金剛は赤面しつつも俺に抱き付いてきた。

「ンフフ〜……でも、それはちょ〜っと手遅れネ?」

「なんで」

「私、もうdarling中毒ですから」

 そう言って金剛は俺の唇に唇を重ねてきた。……やれやれ、病み上がりに激しい運動はしたくないんだがな。
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