ペルソナ3
1892話
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荒垣の言葉が不満なのか、ゆかりは見るからに不服そうだといった様子でこっちに視線を向けてくる。
まぁ、ゆかりの気持ちも分からないではないが……残念ながら、俺が何かを言っても荒垣の態度は変わらないだろうし、何より俺が傷1つつかないからといって、ゆかりもそうだとは限らない。
一応現在では最強のペルソナ使いという事になっているゆかりだが、結局のところ、それはまだ50歩100歩に近いのだから。
「ゆかり、頼む」
「……分かったわよ。けど、アクセルが怪我をしたら許さないからね」
「だが、俺のペルソナは……」
「いえ、今の言葉は荒垣さんに言ったんじゃなくて、アクセルに言ったんです。荒垣先輩は、いっそ思い切りペルソナを暴走させて、アクセルを攻撃して下さい」
いや、怪我をするなと言ったり、ペルソナで俺を攻撃しろと言ったり……一体、どっちなんだよ。
そんな疑問を抱くが、こうしてパーティとして活動しているのに、いざという時に自分だけ一緒に行動させて貰えないというのは、ゆかりにとってもあまり面白くはないのだろう。
「分かった。取りあえずこっちでは出来る限りの事をしよう」
そう告げる荒垣だったが、果たして出来る限りの事ってのは何に対しての出来る限りの事なんだろうな?
もしかして、本気で俺をペルソナで攻撃する……なんて事はないと思うんだが。……ないよな?
まぁ、そうなったらそうなったで、こっちも相応の対処をすればいいか。
「じゃあ、そろそろ行くか。まずはゆかりを部屋に送っていく。影時間が終わったら携帯で連絡するから、もし連絡がなかったら桐条にこの件を知らせてくれ。ああ、その場合はついでに16階の封印の件もな」
桐条グループとは色々とあった……いや、過去形じゃなくて現在進行形であると表現した方がいいのかもしれないゆかりだが、同じ桐条でも桐条美鶴の方とはそれなりに仲がいい。
勿論、親友とかそういう感じではないのだが……それでも会えば気軽に話せる程度の関係にはなっている。
この辺り、桐条と適度な距離を取っているからこそなのだろう。
恐らくだが、もし真田のように同じ寮に住んでいれば、距離が近すぎて桐条との関係はここまで良好なものにはなっていなかっただろう。
そう考えると、やっぱりゆかりをこっちに引っ張ってきたのは俺のファインプレイだろう。
「分かったわ。けど、出来るだけ怪我をしないようにしなさいよ?」
「さっきと言ってる事がまるっきり違ってるんだが?」
「うるさいわね。いいじゃない、それくらいは」
不満そうな表情を浮かべているゆかりだったが、いつまでもここでこうしていられる訳にもいかないので、とにかく準備を整え――もっとも準備らしい準備はないので、心の準備だけだが――ると、俺の近くに集まって
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