第百三十二話 残暑に入ってきてその二
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「私もそう思います」
「僕も同じです」
「そうです、しかし旬のものはです」
「何といってもですね」
「一番味がいいです」
そうだというのだ。
「ですから秋の食材はです」
「秋に食べることがですね」
「一番いいです」
「だからですね」
「楽しみです」
畑中さんの言葉はにこにことさえしていた、そのうえで僕に言ってきた。
「本当に」
「そう言われると僕も」
「楽しみですね」
「そうなりますね」
笑顔で言った、畑中さんに。
「これから」
「はい、夏は終わりますが」
「今度は秋ですね」
「その季節も楽しめます」
「何か凄く長くて充実した夏でした」
今振り返るとだ、とはいっても夏はまだ少し残っているけれどだ。
「今年の夏は」
「はい、私もそうでした」
「畑中さんもですか」
「これだけ充実した夏はこの数十年なかったです」
「数十年ですか」
「そうでした、ですが今年の夏は」
心から充実している感じでだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「本当に数十年振りにでした」
「充実した夏でしたか」
「この八条荘にいて」
そうだったというのだ。
「私はよかったです」
「そういえば僕もどうして充実していたかといいますと」
「八条荘におられてですね」
「そうなりました」
思えば八条荘の皆と一緒にいてこそだ、これだけ充実した夏は。これまでの親父と一緒に暮らしていた夏はそれはそれで充実していたけれど。
「部活だけじゃなくて」
「ここので生活で、ですね」
「充実していました」
「それは私もそうでして」
「非常にですね」
「八条荘での生活は充実しています」
生活そのものがというのだ。
「こちらの生活はそれだけいいものかと」
「そういうことですね」
「そう思います、では秋もです」
「充実したままですね」
「暮らしていきましょう」
「わかりました」
僕は微笑んで畑中さんに答えた。
「この八条荘で」
「そうしていきましょう」
「是非共」
こうした話をしてだった、そのうえで。
僕達は一旦別れてだ、朝御飯を食べた。朝御飯は茶粥にお漬物それに焼き魚だった。焼き魚は鰯だった。
その朝御飯をたべてからだ、僕は部活に行った。午前中は普通に部活をしてお弁当を食べた後で少し校内を散策していると。
ふとだ、僕は裕子さんとばった出会った。裕子さんは僕を観るとすぐにこう聞いてきた。
「部活の休憩時間で」
「はい、ちょっとぶらぶらと」
散歩をしているとだ、僕は裕子さんに答えた。
「そうしています」
「そうですか、それではです」
「それでは?」
「私もそうしていまして」
裕子さんもというのだ。
「実は」
「歌劇部の部活で」
「はい、休憩時間でして」
学園の歌劇場
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