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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二話 劣勢からの大転換を図ります。
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返しブラウンシュヴァイク公爵サイドに降伏勧告を発信し続けているが、応答はない。

 キルヒアイス艦隊1万3000余隻が、ベルンシュタイン中将別働部隊の側面に出現し、退路を断って組織的な砲撃を仕掛け、バイエルン候エーバルトの艦隊1万余もブラウンシュヴァイク公爵側面に展開、ブラウンシュヴァイク公爵とベルンシュタイン艦隊は完全包囲の下に置かれた。
さらに、遅れて来たティアナ艦隊1万5000余隻は密集体形のままフレーゲル男爵らの前衛艦隊残存部隊に突撃し、アレットとロワールの支援に入った。 

2時間後、ティアナ艦隊の援護のもと、フレーゲル男爵らの前衛艦隊を撃破することに成功したアレットとロワールも戦場に到着し、戦力差は完全にひっくり返った。

ヘルヴォールの艦橋では総司令官以下がディスプレイ上で戦況を見守っている。敢えて指示をしなくとも、完全包囲下に置かれた敵はその数を減らし続けている。幾度か強硬突破しようとする動きを見せたが、その都度フィオーナが部隊を動かしてそれを阻んだ。最後には敵の威力は減衰して、ただ撃たれるだけになってしまっていた。
「・・・・・・・。」
幾度目かの降伏勧告にも応じない敵側にフィオーナは内心と息を吐いた。だが、攻撃の手を休めれば、反撃は攻撃側に来る。その分だけ将兵が犠牲になる。だから手を休めるわけにはいかなかった。
 フィオーナはサビーネを見た。青ざめた顔色だったが、それでもディスプレイから目をそらさない。恐らく先のリッテンハイム討伐戦における父親の姿を重ねているのだろう。
「・・・・敵の総数は?」
「およそ、2万隻余りです。」
当初ブラウンシュヴァイク公爵4万余隻、ベルンシュタイン中将2万余隻から、わずか3分の1になってしまっている。
「アースグリム改級全艦隊波動砲斉射、用意。」
フィオーナの指令に皆が愕然となった。
「同時に最後の勧告を試みます。それを拒むようであれば・・・・。」
ヘルヴォールの艦内のざわめきはもっともだった。ブラウンシュヴァイク公爵陣営の中には、少なからず女性士官学校の卒業生がいるのである。同胞相打つことになるのは、心苦しい。彼女たちの思いは痛いほどよくわかっていた。

だが、この戦いをやめることはできない。

「閣下!!」
突如狼狽した声が艦橋に上がった。
「そんな!?」
「そんな声を上げていちゃわからないでしょ?ホラ、ちゃんと状況報告をする!」
ヴェラ・ニール艦長が女性オペレーターをしかりつけた。
「ブラウンシュヴァイク公爵陣営で、同士討ちが起こっています!!」
思わず進み出たフィオーナ、エステル、そしてサビーネが互いに顔を見合わせる。
「通信を傍受しました!『裏切り者』という声があちこちで起こっています!!」
通信士官が声を上げた。
「誰!?」
数秒後、
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