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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二話 劣勢からの大転換を図ります。
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てられたが、それもみるみるうちに血に染まっていく。
『お、叔父上!!』
乱れ切った声が聞こえた。ブラウンシュヴァイク公爵が顔を上げると、髪を振り乱したフレーゲル男爵がディスプレイ上に写っていた。
『も、もはや我が方の前衛は四散し、敵に包、包囲されつつあります!ど、どうか、どうか救援を――!!』
「・・・・・・・・。」
呆然と見つめるブラウンシュヴァイク公爵の眼にはフレーゲル男爵の後ろでうめいている幾人もの人間の姿、そして回り始めている火の手が見えていた。
『叔父上、叔父上、叔父上!!!』
狂ったように叫び続けるフレーゲル男爵。その姿には往時常日頃自分の側に仕え、大貴族の縁者として振る舞っていた姿は微塵も感じられなかった。そこにいたのはほこりにまみれ、汚れ、ただ叫び続ける人間の姿だった。
『どうか、どうか救援を、どうか――。』
「見苦しいわ!!!」
ブラウンシュヴァイク公爵が家臣の手を振り離して立ち上がった。何かが公爵の身体に火をつけていた。
「お前も大貴族の端くれならば、そして、儂の縁者であるならば、少しは貴族らしい振る舞いをせよ!!」
『・・・・・・!!』
フレーゲル男爵は叫ぶのをやめた。口がОの字になったまま呆けた様に固まってしまっている。
「大貴族が平民に負けるなどというたわけたことをしてみよ。即刻お前を貴族階級から蹴落とし、農奴にしてくれるわ!!何の為に大艦隊を与えたのか、わかっておるのか!?」
『・・・・・・!!!』
「貴族というものは、ただ上に立つだけが貴族ではないのだぞ。平民共の上を行くのが我々貴族なのだ!平民共よりも優っているのが貴族なのだ!!それにふさわしい振る舞いを求められるのもまた貴族なのだ!!!貴様は貴族の面汚しになるか!?!?」
『・・・・・・・・。』
「甘いところばかりを吸い続けおって。救援はできぬ。貴様も大貴族の端くれと自覚するならば、少しは己の力で努力して見せよ。」
『・・・・・・・・。』
「わかったな?」
フレーゲル男爵は最後まで何も言わず、通信を切った。悄然とうなだれ、そしてどこか呆けたような表情で。


「・・・・・フレーゲル男爵様の旗艦リューゲル、撃沈されました。離脱したシャトルはないとのことです。」


オペレーターが恐る恐る報告をシュトライト准将に持ってきたのは、それから4分後の事だった。その声はブラウンシュヴァイク公爵の耳にも届いていた。
 シュトライト准将が言上しようとするのを、ブラウンシュヴァイク公爵は片手を上げて制した。今にもた蹴り狂うかと思ったが、ブラウンシュヴァイク公爵は瞑目しているのみだった。

* * * * *
数を減らす一方のブラウンシュヴァイク公爵陣営に対して、遠征軍の方は続々と増援が
集結しだしていた。この頃からフィオーナは繰り
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