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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二話 劣勢からの大転換を図ります。
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四方八方に届き、艦隊はそれを受け取り起動させた瞬間、機関がただちに始動した。
「後方、前方の敵ともども距離を詰めてきています!!」
と、オペレーターが狼狽した声があがったが、
「これは・・・・!!」
と、自分自身の眼を疑う声に代わっていた。フィオーナ艦隊は急激な運動を起こしていた。上下左右に散開し、ブラウンシュヴァイク公爵を通す格好になったのである。同時に後方から接近し続けるベルンシュタインの別働部隊も。

その絶妙なタイミングは一秒でも間違えば一気に全軍崩壊をもたらす危険なものだった。

 ブラウンシュヴァイク陣営は狼狽した。フィオーナ艦隊がいなくなったと思えば、目の前には友軍が出現していたのである。互いに衝突を回避しようとして必死に衝突回避装置を作動させたが、数万隻規模の艦隊が同時に回避運動を起こすことは危険極まりない事だった。装置の稼働もむなしく、それを越えたところで限界が生じ、あちこちで衝突が起こったのである。
「ビッテンフェルト提督!!」
フィオーナの声がケーニス・ティーゲルに飛んだ。
「これが、狙いだったのか・・・・!おう!!全艦隊、砲撃を叩き付けろ!!敵は交錯して混乱に陥っているぞ!!」
シュワルツランツェンレイターからの砲撃はすさまじかった。正確かつ凶悪な砲撃がブラウンシュヴァイク本隊を襲った。散開したフィオーナ艦隊も今度は上下方向から密集するブラウンシュヴァイク艦隊に向かって驟雨のごとき砲撃を浴びせかけた。

 これらの火と嵐は猛烈な宇宙気流のごとく、ブラウンシュヴァイク艦隊を翻弄し続けたのである。

* * * * *
「何をしておるか!?」
ブラウンシュヴァイク公爵は狼狽した声を上げた。本隊を追撃態勢に入り、追い詰めたと思ったのもつかの間、一瞬の後には鮮やかにかわされ、激烈な砲撃を受けることになったのである。4万余隻あったブラウンシュヴァイク公爵本隊と2万余隻あったベルンシュタイン中将の別働部隊は徹底的に打ち減らされ、半数以下に激減している。
「閣下、ここは敵に完全包囲される前に撤退すべきでしょう。このままでは損害が増すばかりです。」
アンスバッハ准将が言った。
「何を言うか!?あのような数で劣る敵に、我が方が撤退など――。」
アースグリム改級から放たれた波動砲の青い閃光がベルリンの左舷をかすめ、左側の盾艦を蒸発させた。ベルリンの側面部にも被害は及び、装甲剥離が始まっていた。ブラウンシュヴァイク公爵は衝撃で椅子から転落し、弾き飛ばされた。

 艦内にアラームが鳴り響く。艦橋にも少なからず被害が及び、負傷者が続出した。
「・・・・・・・・。」
ブラウンシュヴァイク公爵は家臣たちに助けられ、顔を上げた。あちこちでうめき声が響き、医師たちが鞄を片手に走り回っている。血を流した者たちは白布を当
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