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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 10
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々木、土部、天野、海原の八人は厳重に捕縛しろ。仲間が潜んでいる可能性がある、あとの者はモスク内の連中をひっ捕らえよ」
地州がそう命じると水樹と呼ばれた者をはじめ八人の神龍武士団員たちが口々に呪を唱える。
淡い光の線が浮かび上がり、それぞれをつなぎ、秋芳を包囲した。
「八陣結界か、しかしなんとまぁずさんな」
対霊災用遁甲術の八陣結界。おもにフェーズ3以上の霊災を封じ込めるために祓魔官がもちいるもので、人間相手に使用されることは基本的にありえない。それだけ強力な術であり、これに結ばれると基本的に内側から破ることができない。
だが神龍武士団たちの身に帯びた霊力は凡庸で、術の練度もお粗末なものであった。
「禁術則不能現、疾く!」
術を禁ずれば、すなわち現れることあたわず。
包囲している神龍武士の中でも特に霊力の低い相手、金山と呼ばれた男に狙いをつけて呪禁にある持禁の術をもちいて強引に封じようとした。八陣結界は八人の呪術者がそろわなければ展開できない封印結界だ、ひとりでも欠ければとたんにほころびが生じる。
秋芳と相手の霊力差は雲泥の開きがあり、いとも簡単に無力化されるはずであった。
しかし――。
「ぐむむっ!? ハアァーッ!」
秋芳の呪に抵抗しようと金山が気合いを入れる。すると額の呪印が輝きを放ち膨大な呪力があふれ出して呪禁を弾き返してしまった。
「おおっと!?」
予想外の抵抗力に弾かれ、返しの風となって我が身を害しそうになった呪をあわてて抑える。持禁の術は現実を歪める力技。呪力の消費も多く、術を失敗したり相手に抵抗された場合の反動が大きい。
(なんだこいつの霊力は!?)
片目をすがめて相手を視る。
凡庸だった先ほどの霊力とは比較にならないほど高い霊力を帯びている。いや、帯びているのではない。
出ている。
額に印された梵字のような呪印から滔々とあふれ出る霊力が呪力に変換され、金山のものとなっていた。
それはまるで龍脈の流れを読み、見極め、みずからのものへと変える京子の如来眼を彷彿とさせた。
(こいつの霊力は他所から供給されている!)
自前のものではない強力な霊力が額の呪印を通じて送られてきている。他者に霊力を付与し、一時的に能力を上昇させる術は存在するが、どうもその類でもないらしい。
秋芳の知識にはない未知の呪術だ。
(さすが現代≠ェ舞台だな。今まで巡ってきた古代や中世の世界とは異なり、俺の知らない新技術でも存在しているのか)
結界の力がいよいよ強まり、秋芳の自由を奪いかける。
「眩め、封、閉ざせ。
急急如律令
(
オーダー
)
」
異変が生じた。
モスク内の人々を強引に取り押さえようとしていた神龍武士団の半数以
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