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RSリベリオン・セイヴァ―
リベリオン・セイヴァー2 第一話「正義の味方」
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た。
「えーっと……あ、あった!」
最後の一枚。それを取ろうと背を伸ばしてDVDのケースへ手を添えようとしていたときだった。
「あっ……」
彼の手が、もう一つの手と重なり合った。
「え?」
自分の手と重なった手は、柔らかみのある白い手であり、その主は……少女であった。
青い紙に眼鏡をかけた根暗っぽい雰囲気を漂わせる物静かな少女であった。
背丈も、俺の胸元ぐらいの大きさである。
「「……」」
しばし、沈黙が訪れたのちに、口を最初に開いたのは少女のほうだった。
「あ、あの……よかったら、どうぞ?」
「え? あ、ああ……」
しかし、今時男である俺に譲るか? 今のご時世相手が男だったら容赦なく譲らないくせに。珍しい女もいたもんだ。
「……」
俺は、ジロリとそんな少女を見た。
「あ、あの……」
恥ずかし気に目をそらす少女に、俺はこういった。
「マジか……?」
「は?」
「いやさ? 今時……譲ってくれる女って初めて見たよ俺」
「えっ?」
「珍しいってことだよ……?」
「……」
すると、少女は俺の顔を不思議そうに見つめた。
「好きなのか? ジャスティスセイバー」
「う、うぅ……」
しかし、彼女は恥ずかしがってしまい、喋らなくなってしまう。しかし、顔を赤くする彼女はおどおどしながらも小さく頷いた。
「へぇ〜? 好きなんだ? 女でも好きなんだな? ヒーローものが」
「……」
どうせ、馬鹿にされるのかと少女は沈んだ表情をするも。
「やっぱ、カッコいいよな? ジャスティスセイバーってさ?」
「……?」
しかし、からかわれるかと思ったら、逆に興味を示してくれた大柄な青年を目に少女は目を丸くした。
「シリアスなだけにコミカルさがあってさ? リアルタイムで見たときマジで引き込まれたっつーかさ?」
「……」
「主役の正義タダシ役の俳優もいいけど、やっぱライバル役の黒井マサルをやった人も最高だよな?」
「あ、あの……」
「あ?」
すると、俺の話に何やら言いたいような顔をする少女は、モジモジしながらもこう返した。
「その……私は、最後のギガント戦で戦死した戦友の加藤ジョウジさんをやった俳優が、好きです……」
「おおー!」
すると、俺は目をキラキラさせて、熱く語りだしてしまう。
「やっぱ、あのシーンは涙なくして見れねぇよな〜!」
「……で、でも。悪役だったギガント皇帝の王子も嫌いじゃありませんでしたよ……?」
「うん! うん! あの王子が最後父親の皇帝を説得させようとした場面もよかったよな〜?」
「そ、それに……主人公がヒロインと最後のやり取りも好きです……!」
顔は赤くも、好きなことになったら少女は積極的になって話してくる。
「おう! 最後の結婚エンドは俺も泣いたって!」
「でも……一番好きな場
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