リベリオン・セイヴァー2 第一話「正義の味方」
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その上空には紺碧の空が広がり、水面にはその蒼穹をどこまでも映し出している。
そんな幻想的世界に俺、鎖火狼がいた。
嘗て、臨海学校での時に生死をさまよう俺が迷い込んだ世界。しかし、なぜ再びこのような世界に招かれてしまったのかはわからない。
「ここは……あのときの?」
また、死にかけるようなことをしてしまったのだろうか? いや、覚えがない。
『狼……』
何者かの……いや、かつての零の声が聞こえてくる。
「零……!?」
再び舞い戻ってきた俺のもとへ姿を現したのは、白銀の甲冑を身に纏う雄々しい風格をした武者が仁王立ちしていた。
「零……お前、なのか?」
『狼……我が主よ? 其方に伝えなくてはならぬ事態が起こった』
その力強い声が俺に言う。
「どういうことだ!?」
『相容れぬべき其方の影が、刻々と主に迫ってきている。いずれ、その影は主と対面するであろう……』
「影……? いったい、何を言ってるんだ!?」
『狼よ、もう一人の自分に気を付けろ……あれは主の力を遥かに凌駕した恐るべき「影」であるぞ……』
「俺の、影……?」
『狼、今其方はその影との因縁を絶ち、愛する者を守り抜かなくてはならぬ。これまで封じていた我が真の力を来たるべき戦いに備え、解き放つ……』
「!?」
零は、眩い光を放った……
*
「……!?」
目を覚ますと、そこは玄那神社の社務所兼自宅の中だった。隣には弥生が同じ布団で添い寝していて、すやすやと可愛い寝息を立てながら寝ている。
「……」
うなりながら俺は起き上がった。
――夢、か……
俺は、夏休みに弥生の自宅へきて、彼女と共に八月を過ごしているところだった。
「……」
俺は、ぐっすりと眠っている弥生の前髪に触れた。
――愛する者を守れ、か……
夢の中で、零が俺に言い残したことを思い出した。
しかし、それは単なる夢か、それとも未来を知らせる零からのメッセージだったのかは、今の俺には見当もつかなかった。
ただ、俺は彼女の傍にいられるだけで幸せに感じた。
そろそろ、この夏休みも終わるな? 俺は、再び布団に潜ると弥生に寄り添って再び瞼を閉じた。
*
エリア11、居住エリアにて
俺の名は、草加了。エリア11に住む「ヒーローマニア」だ。っと、いってもその実態はその辺のゴロツキと変わらない。
御袋は、女尊男卑にかぶれて見知らぬ男と不倫して離婚。親父はその後自殺し、以来一人になったところを、発明家の爺ちゃんのもとで引き取ってもらうことになった。
しかし、発明ばかり続けている爺ちゃんには他のことに回す金などはなく、俺はやむを得ず高校を中退して先ほども言ったようにゴロツキとなったのだ。
まぁ、別に学校なんて大嫌いだし行けなくなるならいいと吹っ切れた。元より学校では常に孤立気味の俺だから、友達
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