0235話『防空埋護姫との戦い』
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てくる。私達はただ待っているだけでいいんだ」
《そうですね……》
僕たちは提督に見送られながら出撃していった。
道中の敵は特に変化は見られないので気を付けて行けばもう大丈夫だしね。
そして海峡夜棲姫を倒した場所にもう一度到着してみれば昨日に出会ったあの深海棲艦……防空埋護姫が僕たちを待ち構えていた。
僕たちという存在に気づいたんだろう。防空埋護姫は長身の砲をこちらに向けながら、
「……ワタシガ……オアイテ……シマス…………」
低音の声で呟きながら随伴艦の深海棲艦の群れとともに攻撃を始めてきた。
「みんな! やる事は変わらないわ! できるだけ夜戦で沈めるわよ!」
「うん!」
山城の号令で戦闘は始まった。
それから僕たちは何度も戦闘を繰り返しながらも少しずつだけど防空埋護姫の体力を削っていった。そして、
「ワタシガネ……? マモッテイクノ……ッ!」
防空埋護姫はそう言いながらももうボロボロの砲身を構えて砲撃してくる。
彼女がなにを守りたいのか分からない……けど、僕たちにだって守りたいものがある。
その行き先を邪魔するのなら、僕たちは君達を倒すよ!
「これで終わりよ! てぇっ!!」
扶桑の渾身の一撃が防空埋護姫に直撃した。
それで防空埋護姫は少しずつ沈んでいきながら、
「ウソ……ワタシガ……ッ……モドルウミ…ナンテ……ソンナ……モドレナィ……エッ……? ウデ……ガ、ジユウ……ニ」
今の今まで防空埋護姫の腕を拘束していた鎖が外れていた。
それがなにを意味するのか僕たちには分からない……。
それでも、
「もど…れ、もどれる……カエレる、のね? わたし、もういちど……自由に……海を、駆けて……!」
最後に笑みを浮かべながら防空埋護姫は海へと沈んでいってもう浮かんでこなかった。
そして今度こそ海域を突破したのだろう海が赤から本来の水色へと戻っていく。
山城が提督に涙を浮かべながら報告をしている。
「みんな……提督からすぐに帰ってくるように言われたわ。さ、帰りましょう……!」
山城も少しだけ興奮しているのが分かる。
笑い泣きをしているようで僕も一緒に泣きたい……でも、提督の前まで我慢だね。
そうして僕たちは鎮守府へと帰ってきて、
「みんな……よくやってくれた。これで私達の任務は終了。無事スリガオ海峡を突破できたわけだな。悲願が叶ったんだな」
提督がそう言った瞬間だった。
もう山城が嬉しそうに、
「ね、姉様……第一遊撃部隊、第三部隊……一戦隊がスリガオ海峡を突破しました! フフフ……やったわ!!」
「山城! 私達、ついにスリガオを越えたのよ! あの海峡を越えたのよ……提督、ありがとう」
山城と扶桑がそれ
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