ペルソナ3
1891話
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ていく。
「おい、アルマー。あのペルソナ、きちんと制御されていると思うか?」
「は? どういう事だ?」
まるでペルソナが自分の意思で暴れているとでも言いたげな様子で呟く荒垣に、視線を向ける。
こうして見る限り、別に何かどうにかなっているようには到底見えない。
だが、荒垣はまるで俺とは違う光景が見えているかのように、緊張した雰囲気を発している。
「岳羽のペルソナ、暴走してないか?」
「……暴走? ペルソナが?」
そもそも、ペルソナは暴走とかするのか?
そんな疑問を抱くが、荒垣は別に冗談か何かを言ってるような様子ではない。
本当に、心の底からそう思っているのは明らかだった。
この様子だと、もしかしてペルソナって暴走するのか?
それが本当かどうかは分からないが、荒垣を見る限りではそう思っているのは間違いない。
「ゆかり、ペルソナの方は問題ないか?」
「え? 別に問題ないけど?」
そう告げるゆかりの言葉を証明するかのように、イオが姿を消していく。
その様子に、安堵の息を吐く荒垣。
「どうかしたの?」
「いや、何でもない。ただ、さっきペルソナが随分と派手にトーテムポールに攻撃してたから、もしかして暴走でもしたんじゃないかと思ってな。どうやら、その心配はなかったらしいが」
「暴走? ペルソナが? 暴走するの?」
「さぁ? でも荒垣の様子を見る限り、暴走するのは間違いないらしい」
そう言い、ふと思いつく。
もしかして、荒垣が俺達と一緒に行動するようになって、それでも一切戦闘を行わない……そしてペルソナを使わないのは、ペルソナの暴走というのが他人事だからではないのでは? と。
勿論荒垣の召喚器は、現在ゆかりが使っている。
だが、召喚器がなくてもペルソナを召喚可能なのは、それこそ最初にゆかりがイオを召喚した時の事を思えば間違いない。
それに桐条グループであれば、いつ新たなペルソナ使いが出てもいいように、予備の召喚器を用意していてもおかしくない。
タルタロスに挑む以上、いざという時の為の対策をしておくのは当然なのだから。
「荒垣、お前まさか……」
その言葉で、俺が何を言いたいのか理解したのだろう。
荒垣は何も言わずにそっと視線を逸らす。
その行為そのものが、俺の予想が正しかった事を証明している。
だが……その件は色々とデリケートな話題だ。
今ここで、タルタロスの中でするような話題ではないのは間違いない。
「今日、タルタロスの探索が終わったら、しっかりと話して貰うぞ」
「……」
そう告げるも、荒垣から戻ってきたのは無言のみ。
その無言が、俺の言葉を肯定しているのか否定しているのか……その辺りの事情はまだよく分からない
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