ペルソナ3
1891話
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な。
「とにかく、予想はしていたがこの階層には今まで遭遇した事がないシャドウがいるのは確定だ。他のシャドウもどんな攻撃をしてくるか分からないから、注意して行くぞ」
その言葉にゆかりは頷き、荒垣は面倒臭そうな表情を浮かべながらも、特に反対の言葉を口にしたりはせず、通路を進む。
そうしたところで、やがて遭遇したのは……
「トーテムポール?」
「……そう見えない事もねえが、さすがに違うんじゃねえか?」
現れたシャドウを見て、思わずといった様子で口にした言葉に、荒垣が反射的にそう返してくる。
いや、だがこうして見る限りでは、トーテムポールのようにしか見えないんだが。
そのトーテムポールは、何と言うか、ピョン、ピョンといった風に跳躍しながらこっちに近づいてきて……
「っ!? ゆかり、回避だ!」
そんなトーテムポールのシャドウを見て、叫ぶ。
それと同時に、トーテムポールはまるで投擲された槍か何かの如くゆかりに向かって飛ぶ。
トーテムポールじゃなくて、槍かよ。
そんな突っ込みをしつつ、俺は瞬動を使おうとし……一瞬の躊躇の後、止める。
「きゃあっ!」
トーテムポールの突き――正確には体当たり――を正面から食らい、ゆかりの口から悲鳴が上がる。
それでも、吹き飛ばされてすぐに体勢を立て直しつつ召喚器を手にしている辺り、戦闘慣れしているといえる。
「へぇ」
その様子を見て、思わず感嘆の声を漏らす。
「……どういうつもりだ? 今は、お前が助けるべき時じゃなかったのか?」
そんな俺の横で、荒垣が睨み付ける……とまではいかないが、視線に力を込めてこちらを見てくる。
「そうかもしれないな。だが……いつでも俺がゆかりを守れるとは限らない。であれば、いざという時の為に動けるようにしておいた方がいい」
呟く俺の視線の先では、ゆかりが召喚したイオがトーテムポールに向かって真っ直ぐに突進していく。
それは、まるで不意を突かれた攻撃でダメージを受けたゆかりが、不満を表す為の行為にも、もしくは子供を守る母親の如き動きにも見える。
まぁ、ペルソナに己の意思があるのかどうかは、ペルソナ使いではない俺には分からない事だが。
ともあれ、イオはトーテムポールを蹂躙という言葉が相応しい程に攻撃していく。
そこに体勢を立て直したゆかりが弓で援護するのだから、トーテムポールに対抗する術はなかった。
ペルソナと、本体のゆかり……実質的に2人を相手にして、トーテムポールは1匹なのは致命的だった。……シャドウは匹で数えてるけど、ペルソナはどう数えればいいんだろうな?
ともあれ、トーテムポールは最初の奇襲こそゆかりの意表を突く事に成功したが、最終的には一方的に攻撃されて消滅し
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