ペルソナ3
1891話
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という事はない。
勿論、油断大敵って言葉もあるんだが。
ともあれ、そんなやり取りをしながら、俺達はタルタロスの中を進む。
「アルマーも言ってたが、廊下や壁、天井の模様が変わるだけでも、随分と違和感があるな」
荒垣が周囲を見回しながら呟く。
「当然、このタルタロスの設計は、その違和感とかも挑んでくる相手に与えようとしてるんだろうな。ん? ……ゆかり、構えろ。早速お出ましだ」
その言葉に、ゆかりは一瞬の躊躇もなく弓を構える。
ここまで一緒にタルタロスを攻略してきて、ゆかりは俺の索敵能力がどれだけ正確なのか、知っている。
それを疑うという選択肢は、ゆかりの中にはなかった。
そして事実……通路の向こう側から、真っ直ぐにこっちに向かって来るシャドウが姿を現した。
「速いな」
俺が呟いたのは、そのシャドウの移動速度がかなりのものだった為だ。
その理由としては、シャドウが空を飛んでいるというのが大きい。
見た感じでは、カラスがカンテラというのか? それを足で持っているような、そんな感じのシャドウだ。
そのシャドウは、こっちとの距離を急激に詰めてくる。
「アギラオ」
そうして間合いを詰めたところで発動する魔法。
放たれたのは、アギよりもかなり大きめの炎の塊。
恐らく……いや、間違いなくアギの上位呪文。
その威力は、当然アギよりも上なのだろう。
だが、結局炎は炎。
しかも形を変えたりするような事もなく、馬鹿正直に一直線に放ってきた一撃だ。
ゆかりの守りを任されている子猫の炎獣にとって、全く問題にならない程度の攻撃でしかない。
シャドウにとっても、まさか自分の放った強力な魔法が問答無用で無効化されるとは、思ってもいなかったのだろう。
驚き……それが、シャドウにとって最大の隙となった。
ゆかりの射った矢が、空気を斬り裂きながら真っ直ぐに突き進み、カラスのシャドウに突き刺さり、貫いたのだ。
その威力は相当なもので、それこそ一発でシャドウを倒す事に成功する。
まぁ、カラスという形状から、速度と攻撃力に特化して、防御力は弱そうなシャドウだったしな。
その辺りは、特におかしなところはない。
「1階……いえ、16階が封印されただけだったから、2階か。とにかく、少し上がっただけで随分と強くなったわね。アギラオだったかしら。この子がいないと、少し厳しかったかも」
ふぅ、と溜息を吐きながらゆかりが呟く。
まぁ、実際アギラオとかいうアギの上位魔法はなかなかの威力だった。
唯一にして最大の難点は、特にアレンジといった真似もせず、普通に火球として撃ってきた事か。
折角アギと比べても炎の量が多いんだから、幾つにも分けて放つとかすればよかったのに
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