第一章 邂逅
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黄前久美子2年生_____
4月5日、AM7:00、入学式当日
「やばいやばいこのままじゃ遅刻だよ〜」
通学時間は約40〜50分、そして今日は入学式で演奏するため8時集合なのである。久美子は慌てて家を出て、走って駅に向かい電車に乗る。
(なんとか時間には間に合いそう…。)ふぅ…とため息をつき電車に揺られ北宇治高校を目指すのであった。
◆
同日、AM7:15
「行ってきます」
「忘れ物はない?大丈夫?」
「うん、多分…」そう言って家を出る。
俺は今日から北宇治高校に通う新一年生の神木拓海である。
身長は160cmと男としては小さいがまだ高校生ということでこれから成長期が来ると信じている。
マンションを出てすぐ近くの公園に一人同じ制服を着て待ってる人がいる、彼は小学校からの幼馴染の櫻井宗人、身長が180cm弱と大きく短めの髪に赤縁の眼鏡をかけている。
「おっす!」
「おう」付き合いも長いので挨拶も随分とそっけないものだ。
「あ〜今日から高校生か〜めっちゃうきうきしてきたべ」と、言いつつ真顔で俺に話しかけてくる。
「一緒のクラスになれたらええけどな」などど、他愛のない会話をしつつ高校を目指す。
「あー、やっと着いたー!」北宇治高校の門には入学式と書かれた大きな看板が立てかけられていた。
(今日から3年間ここでお世話になるのか…)としみじみ思いながら門をくぐると様々な部活が勧誘していたが自分は既に入る部活を決めていたので早々とクラス表が張り出されているところに向かう。
「ええと、自分の名前は…」と独り言を発しながら自分の名前を探していると隣から「おい、俺たち同じクラスやんけ!」と嬉しそうに言ってきたのを聞き「まじ!?」と3組の一覧を見るとそこには2人の名前が書かれていた。
互いに拳を合わせ、2人して「いいね〜!」と笑い合う。
下駄箱に向かうとその前で3年生2人がクラスごとに分かれ1年生に花形のリボンを配っていた。
3組の列に並ぶと「あの先輩めちゃくちゃ可愛くないか?」と興奮混じりで言ってくる。こいつ朝からテンション高いなと思いながら「確かに…やっぱポニーテールだよな」と返すと「それ!」とまた大きな声が返ってくる。
一番前に来ると3年生から「おめでとうございます」と言われ、少し緊張した声で「ありがとうございます」と返した。
入学式、校長の長い話と在校生代表、新入生代表の挨拶が終わり吹奏楽部の歓迎の演奏が行われた。
宗人は教室に戻るなりいきなり俺の席まで来て
「やっぱこの学校にして良かったよな」
「うん、人数少なくなった分音の圧は落ちてるけど関西大会の時よりも断然上手くなってた!」
「せやな!でもえらい人数減ってなかった?3年生が相当多かったんやろうな?」
「ま
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